リターンだけ考えて、リスクを想定しない投資家たち

「確かに、『すごい儲かりそう』とか、いい想像はしても、悪いシナリオは考えないで失敗したら、目を瞑る感じでした・・・」
「そんなに都合がいい話はありません。こと自分の仕事となればリスクを考えるのに、投資になるとリスクを考えない。失敗したら、臭いものに蓋をする。これで資産が増えたら苦労はありません。リターンからしか投資を考えていないうちは、素人です。プロは常にリスクから考え、取っているリスクに対して最大のリターンが出ているかを考えます。違う言い方をすればその投資が効率的なのかどうかということです」
「でも、投資になると自分がどれくらいのリスクを取っているか分からないので、リスクとリターンの関係なんて考えたこともないですし、どう考えればいいんですか」

「ふむ。実はこのリスクから投資を考えるというのも、1950年代にハリー・マーコビッツという人が初めて論文を出し、その論文でのちにノーベル経済学賞を取るのですが、そこから金融業界の人もリスクとリターンの関係を気にするようになったのです。リスクを取るからこそリターンがある、虎穴に入らずんば虎児を得ずです」
「へえ、リスクから投資を考えるというのは、つい最近の話なんですね。だとすると、それをごく一般の人ができないのも無理ですよ。特に日本人の僕には」