ジュニアNISAは2023年で終了
最後にジュニアNISAについてです。
ジュニアNISAは2023年の投資枠をもって終了します。それに伴い、2024年1月1日以降はジュニアNISA(または課税未成年口座)で保有する上場株式などについては払い出しが可能になります。
ただし、その場合はジュニアNISAの口座を廃止して全額を払い出すかたちになります。ジュニアNISAの口座を残したまま、一部の金融商品を売却して現金を引き出したり、上場株式の配当を受け取ったりすることはできません。
口座を廃止するまでは売却したお金や、配当として受け取ったお金は、これまで通り課税ジュニアNISA口座(払出し制限付き課税口座)に入った状態で、口座を廃止するまで引き出すことはできません。
2023年末までに投資した分については成人年齢に達するまでそのまま非課税口座で保有し続けることも可能です。ジュニアNISAを開設している未成年者が成人(20歳、2023年からは18歳)になると、一般NISA(2024年からは新NISA)の口座が自動的に開設され、ジュニアNISA口座で保有する商品をロールオーバーすることができます(つみたてNISAにはロールオーバーできません)。ただし、成人になるまで非課税で運用し続けるには、非課税期間終了時に新たなジュニアNISAの枠(非課税口座)に移し替える「ロールオーバー」の手続きが必要です(一般NISAと同じ仕組みです)。
ここまで、NISAの変更点についてまとめました。著書『こんなときどうする? どうなる? Q&A 3つのNISA 徹底活用術』(日本経済新聞出版)をお読みいただくと改正内容についてより詳しく解説しています。
新NISAは2階建てとなり、しくみは複雑になります。これから投資信託の積み立てで資産形成をしていこうと考える人はシンプルな「つみたてNISA」を利用すればよいのではないでしょうか(非課税期間20年で、新規で投資できる期間も2042年まで確保されています)。それ以上の金額で投信を積み立てる、個別株を買う場合には特定口座を利用する、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)を併用する、ということも考えられます。
一方、個別株投資をメインにしている人は、制度が存続する限り、一般NISA・新NISAを活用し続ける(ロールオーバーする)という選択肢もあります。ただし、ロールオーバーには手続きが必要なこと、(ロールオーバー・課税口座への移管時に)取得価額が変わること、損益通算できないことを理解していること、そして、複雑な制度を使いこなす自信があることが前提になるでしょう。