一般NISAは2024年から2階建ての新NISAに衣替え
次に一般NISAです。2023年に一般NISAの新規投資枠が終了し、新NISAに衣替えされます。そして、2024年から2028年まで投資できる期間が5年延長されます(図2)。
図2:【改正後】一般NISA
まず、2024年から始まる新NISAを活用して投資を行う場合を説明します。
新NISAは2階建てとなります(図3参照)。新NISAの特徴は、原則、1階部分(つみたてNISA対象商品の積み立て)を利用しないと、2階部分で投資することができないことです。
「1階部分」で購入できるのは、つみたてNISA対象商品のみ。金額は年間20万円までで、買い方は積み立てに限定されます。
一方、2階部分は現行の一般NISAの対象商品である、上場株式(日本株式・外国株式)や株式投信、ETF、REIT(リート:上場不動産投資信託)などを購入できます(レバレッジを効かせている投資信託、上場株式のうち整理銘柄・管理銘柄は対象外となります)。2階の投資枠は年間102万円まで。一括で購入しても、積み立てをしてもOKです。
もっとも、1階の投資枠20万円をすべて埋める必要はなく、少額でも、対象商品の積み立て設定を行えば、2階部分で投資を行うことはできます。また、投資信託の積み立てを行う場合、1階と2階、それぞれに商品・積立額を設定することも可能です。
1階部分については、5年の非課税期間終了時に「つみたてNISA」にロールオーバーすることも可能になります。その場合、「簿価」でつみたてNISAに移管されます。例えば、1階を上限額である20万円分積み立て投資をしている場合、時価評価額がいくらになっていても、つみたてNISAに移管する際には20万円とされ、あと20万円新規で投資できることになります。
一方、2階部分については課税口座に時価で移管されます(新NISAの制度が将来的に存続していればそれ以外の選択肢もありえます)。
投資経験者は2階だけを使うこともできる
ここまで原則のお話をしてきましたが、一般NISAを利用していた人や上場株式などの投資経験者は「1階部分」を利用しないことを事前に証券会社などに届け出れば、「2階部分」のみ利用することもできます。
ただし、2階部分のみを利用する場合、投資できるのは個別株のみ。株式投信やETF、REITなどへの投資はできません(株式投資信託やETF、REITなどを買うには先に1階を使う必要があります)。また、年間の投資枠は2階部分の102万円までとなってしまいます。