3.ハイテク生産拠点のコロナは沈静化 供給制約は解消の方向か?
図表3は、マレーシアとベトナム、および、アジア全体の新型コロナウイルス新規感染者数と死者数の推移です。この2か国を取り上げた理由は、言うまでもなく、現在不足している半導体や電子部品、自動車部品の生産拠点であるためです。
アジア全体で見ればコロナ感染者はかなり少ない地域なのですが、図で見るようにマレーシアの感染状況はアジア全体とは比較にならないほど厳しいものだったことが分かります。
むしろ、図表2で見た感染が激しいとされる英国並みだったようであり、アジアではインドなどと並んで最悪の状況だったと考えています。ベトナムは2020年全期間と今年7月ごろまではコロナを完全に封じ込めていたのですが、今夏に感染が拡大してしまいました。人口対比でみると、わが国と感染状況は同じで、死者数はずっと多かったことが分かります。
しかし、ロックダウンやワクチン接種の効果もあってか、この2国のパンデミックもどうやら沈静化に向かっているようです。ワクチン接種動向を見ると、7月初めはマレーシア19%台、ベトナム3%台でしたが、足元では、それぞれ77%台と52%台へ急速に接種が進んでいます。
政府による行動規制も段階的に解除されており、10月からは製造工場などの社会にとって重要な部門は正常化しているようです。遅れていた半導体や部品などの生産が進むことで、供給制約に悩まされてきた自動車、電機、機械産業などには朗報となると期待しています。
コロナ・パンデミックの終息はまだ先ですが、一歩一歩、解消に向かっていることは確かなようです。
[図表3]マレーシアとベトナム、および、アジア全体の新規感染者数と死者数の推移
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