2.国・地域で大きく異なるコロナの感染状況 わが国をはじめとしてアジア地域の感染は終息方向、一方、東欧や旧ソ連地域では再拡大
図表2は、国や地域ごとの新型コロナウイルスの新規感染者数と死者数の推移です。わが国やアジアは、他地域との比較では過去のピークも少なかったことに加え、足元では新規感染者数と死者数が減少しており、コロナは終息に向かっているように見えます。
一方、ワクチン普及が先行していた英国は今夏初めにすべての行動規制を解除しましたが、その後に急速に感染が再拡大し、今に至るまでかなりの高水準で高止まりしています。
ただし、新規感染者数は今年初めのピークよりやや少なく、死者数はピークの数分の一にとどまっていることから、規制の再強化を行なう予定はないようです。とはいえ、少ないという死者数も、人口対比で見たわが国のピークの2倍の水準ですので、本当に大丈夫なのか? と思ってしまいます。
さらに気になるのが東欧(旧ソ連地域を含む)です。1日当たり新規感染者数は今年最高を更新中で、死者数も今春のピークに迫る勢いです。一足先に冬の季節を迎えている地域ですので、わが国も含めた今後の北半球地域の行方を占う意味での先行指標になるかもしれないので、要注目と考えています。
なお、この地域のワクチン接種率は単純平均で50%強とそれほど高くありません。
全体として考えると、わが国やアジアの情勢がかなりの優等生であり、世界全体を見渡すと、まだまだコロナに悩まされている地域は多いようであり、コロナ・パンデミックが終わったとは言い難いと思われます。