いざ「積立シミュレーション」で積立効果を試算
ではいよいよ、実際の20代の平均積み立てデビュー額に近い2万円で、シミュレーションしてみましょう。数字の入力だけで簡単に積立投資の効果が分かる「 積立かんたんシミュレーション 」を使って、60代まで40年間、積み立てを継続した場合を確認します。
リターンって何?
まずは基本条件の「毎月積立額」「積立期間」「リターン」を入力していきます。
「リターン」とは、目標とする年率運用リターン率のこと。でも、いきなり「目標リターンを決めてください」と言われても、これから投資を始める人はなかなかイメージが湧かないでしょう。そこでリターンの一つの参考として、私たちの年金、つまり、日本の公的年金の管理・運用を行うGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のリターンはどうなっているのかご紹介します。
GPIFでは現在、年金の元になる160兆円超という大きな額を運用しています。安全に運用するために、低リスク・低リターンの国内債券から、リスクが高い分、期待リターンも高い外国株式まで、幅広い投資先に分散して投資を行っています。分散投資の結果、2001年度から2018年度までの過去18年間の運用実績(名目運用利回り)は、年率2.7%となっています。
ただ、20~30代の場合、「時間」という武器を最大限に駆使し、長期でじっくり積み立てできるため、外国株式のように、多少リスクが高くても長期的に見れば高いリターンが期待できる投資先に集中投資も可能です。多少リスクをとれると考える人は、外国株式程度のリターン(約7%)を狙ってみてもいいでしょう。
20~30代のシミュレーションをする今回は、GPIFのリターン(約3%)と外国株式のリターン(約7%、※2)の中間となる、「5%」を目標リターンに設定します。
※2:外国株式のリターンは、GPIFが2020年4月1日より適用した基本ポートフォリオを策定した際に使った数値
次の基本条件を入力します。
- 毎月積立額:2万円
- 積立期間:40年
- リターン(目標とする年率運用リターン率):5%
毎月2万円が60代で3,052万円に!
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40年間という長期にわたって積み立てを続けた場合、最終積立金額は3,052万円という結果になりました!
2019年は「老後資金2,000万円問題」が世間をにぎわせましたが、毎月2万円でもコツコツと続けていけば、2,000万円というのは十分に実現可能な金額なのです。
ところで、積み立てといえば、預貯金という方法もあります。その場合、リターン(金利)は限りなくゼロに近いため、最終積立金額は約960万円(2万円✕12カ月✕40年)です。年率5%の積立投資を継続した場合との差は、実に2,100万円にも上ります。