3.米国の金融政策には最大限の注意が必要 総合インフレも大事だが、住宅バブルはさらに大きな問題となるリスクがある

 図表3は、米国の政策金利と10年国債利回りの推移です。足元では、政策金利はほぼゼロであり、10年国債利回りもかなりの低水準となっています。

 米国での前々回の利上げ開始局面は2004年6月でした。インターネットバブルの崩壊以降に続いた超金融緩和が引き締めに転じた瞬間でした。その当時の住宅相場がどうだったかというと、前出図にあるように、急上昇が始まり、前年同月比で+15%程度を突破した直後でした。

 前述の通り、足元の住宅相場は前年同月比で+20%の伸びとなっており、2004年当時を大幅にしのぐ勢いとなっています。コロナ感染が終息に向かい、サービス業を中心に雇用が本格回復すれば、もはや、超金融緩和を続ける理由は一つも無くなる可能性があります。

 最近の米国のマーケットを見ていると、債券利回りが再び上昇し始め、上昇の勢いが鈍化してきた株式市場は頭打ちになりつつあり、日々の値動きも大きくなってきていることから、マーケット参加者の不安心理が高まってきているのではないかと考えています。

 このまま住宅バブルが進行し、コロナが収まって雇用指標に大きな前進が見られたとき、マーケットには大きなサプライズとなるのではないかと警戒しています。当面の米国の金融政策の行方には最大限の注意が必要でしょう。

[図表3]米国の政策金利と10年国債利回りの推移

期間:2000年1月末~2021年9月末、月次
米政策金利はフェデラルファンドレート(FF金利)の誘導目標値、米10年国債はBloomberg Generic
(出所)Bloombergを基に野村アセットマネジメント作成

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