日本株の今後を見極める「成長テーマ」は?

 しかし、TOPIX-17シリーズの分類だけでは、実際に市場で起こっている「変化のトレンド」、いわゆる「テーマ」が把握しづらいこともあります。最近の新聞やテレビで、上記の業種分類ではピッタリ当てはまらない言葉をよく耳にされているかと思います。

 例えば、eコマースやロボット、AI(人工知能)、デジタル・イノベーションやバイオ、そして半導体など、グローバルで話題になっている投資のテーマが日本でも有望で、関連する企業の今後が期待される、などの記事やニュースが報道される頻度が最近かなり増えました。

 これらのテーマを上記の東証33業種やTOPIX-17シリーズの業種に当てはめることは、それほど簡単ではありません。

 例として、eコマースを考えてみましょう。eコマースは不特定多数の人を相手にオンラインでの取引を可能にしますが、関連する業種をTOPIX-17基準で考えると、小売りだけではなく、情報通信、物流、金融なども当てはまります。

 半導体のテーマも同様で、素材・化学、電機・精密、商社などを一緒に投資対象として検討しなければなりません。

「テーマ」を把握するには、既存の業種分類とは違う観点から投資対象を分類・調査・選定するプロセスが必要になります。次のチャートをご覧ください。

 上図のチャートは、各成長テーマを指数化したものとTOPIXのリターンを、2017年1月末から2021年9月末の期間で比較したものです。 

 テーマを指数化したものはグローバルの指数会社が発表しています。先ほどのTOPIX-17シリーズなどで分類するよりもテーマで分類したほうが、投資対象を直感的に理解しやすくなっています。

 テーマへの投資を目的とする投資信託は、既に多くの証券会社や銀行の窓口で販売されており、多くの投資家が保有しています。ただ、販売手数料などの負担と、設定・解約に日数を要するといった点から、より手軽な投資手段を求める声もあります。

 ETFであれば、より手軽に、安いコストで、値動きを把握しながら投資できる可能性が大きくなります。