人口減少のリスクが少ない米国

──米国株の魅力はどこですか。

 まずは何といっても成長性です。そもそも米国は100年以上成長を続けてきた国であり、今もGDP(国内総生産)は上昇し続けています。

 ここ10年、20年の間に世界を代表するグローバルカンパニーへと成長を遂げた企業の顔ぶれを見ても、ほとんどが米国企業ですからね。それに加えて新興企業の台頭も目覚ましい。

──グーグルやアマゾン、フェイブックなどが成功を収めたと思ったら、次はUberやAirbnb、 WhatsAppなどが台頭、そしてまた今も多くのスタートアップ企業が新興市場をにぎわせています。

 だから、新しい産業が生まれるし、世界中の人々の生活や社会を変えるようなイノベーションを創出することができる。その点においては日本も欧州各国もとても太刀打ちできない状況と考えています。

 日本は2011年から人口減少社会に突入していて、2050年には1億人を割り込むと予想されています。欧州の先進国も似たような状況にあるし、中国でさえ十数年後には減少に転じるといわれます。人口が減れば経済規模は縮小を余儀なくされるわけです。

──米国にはそういう不安要素はないのですか。

 米国は先進国のなかでも特異な存在で、今後も人口が増え続けると予想されているんです。もちろん、出生率は減少します。しかし、その分、ヒスパニック系を中心に移民が増える。彼らが経済を下支えするので、今後もまだまだGDPは伸びると考えられているんです。

──とはいえ、米国経済は何度も窮地に陥っています。リスクもあるのでは。

 それは米国も日本も一緒ですよ。どんな国でもよいときがあれば悪いときもあります。むしろ米国は、日本などに比べると、立ち直りが早いという良さがあります。例えば日本は、バブル崩壊後、経済が回復するまで何年もかかりましたよね。でも、米国は何事も対応が早いので、短期間で回復に向かう。リーマンショックのときも1年か2年で株価は上昇に転じました。

 今後も人口が増え続け、経済規模が拡大していく。一時的には経済危機を迎えることがあるかもしれませんが、すぐに立ち直り、そこからまた成長へと向かうと思います。長期保有という前提に立てば、やはり米国株でしょう。

 私が思うに天変地異や世界大戦が起きないかぎり、米国株は上昇し続けるはずですよ。

読者へのメッセージ

人生二度無し ありがとう。と書くたぱぞうさん

 たった一度きりの人生ですから、本当にやりたいことをやりきっていこうということです。人生も投資も人に影響されるばかりではなく、自分の思いを大切にすることが大事ですね。あんまり変なのは避けるべきですけれど(笑)

中編へ続く

◎今回の取材先:たぱぞうさん
米国投資を中心に毎日記事を更新している「たぱぞうの米国株投資」。
投資分析や読者の質問に答える記事は、初心者にもわかりやすく、学べるブログとして定評がある。