将棋引退…生活費に困り、優待品で食いつなぐ

「でも株価が動くと、どうしても気になり、少し手を出しては休んだりを繰り返していました。その間、日本の銀行に公的資金が入ったり、ライブドアショックが起こったり、いろいろな出来事があったのですが、なんとか株式市場は立ち直りました。そこで2007年春、私は7段まで昇段していた棋士を引退し、株式投資で生活する決心をしました。3億円の資金を30億円にするという目標を立てました」

 ところが2007年、米国でサブプライムローン問題が表面化、日経平均株価も下がり続け、資金は1億3,000円まで減ってしまいました。そして2008年、リーマン・ショックが起こり、世界中の株式市場が一斉に暴落。

「3億円の資金は5,000万円まで減りました。もうどうしようもありません。株価が気になって寝られず、体調が悪くなり、でも引退したので仕事がない。損失額が大きいので、バイトをしても焼け石に水。

 田舎の実家へ帰ろうと思ったのですが、ここで帰ったらもう東京へ戻れません。そこで13万円の家賃と光熱費だけは歯を食いしばって払い、食費や生活費は株主優待品でまかなって0円で生活しようと決めました。それが優待生活の始まりです」

第2話:株主優待の桐谷さん、優待に出会う「信用取引の大損で激貧に。優待で食いつなぐ」

第3話:株主優待の桐谷さん、優待テクを研究「20万円で4銘柄!桐谷式、失敗しない優待選び」

第4話:株主優待の桐谷さん、リスク分散する「桐谷流、優待株の買い時・売り時」