【4】コンプライアンスは全企業人の必須教科!
資格概要:あらゆる職種で必要とされる、ビジネスにまつわる法律知識を習得する資格です。3級~1級まで設けられており、1級については、ビジネス全般にわたって法務知識を保有し、その知識に基づいて多面的な観点から高度な判断と対応ができることが条件となります。
受験資格:国籍・年齢等の制限なし(2級・3級の併願可能。ただし1級は2級合格者のみ受験可能)
取得費用:約17,930円(1級の公式テキスト代+受験料)
西村さんからのアドバイス
「企業内で法務、労務に関わる人が取得しようとされる資格です。しかし、ビジネスにおいて契約締結やリスク管理を適切に行うことは、どの職種においても重要なこと。特に近年はコンプライアンス遵守が必須条件です。このような時流にすぐに対応し、それをブーストする資格を持っていることはとても有利。仕事の質を上げ、社内での信頼を獲得できることでしょう」(西村氏)
【5】専門資格獲得で本業と二毛作も視野に
資格概要ː 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から、経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえた適切な処理や分析を行うための資格です。企業の経営管理、経理担当者に求められます。
受験資格:国籍・年齢等の制限なし
取得費用:約6,230円(2級の公式テキスト代+受験料)
西村さんからのアドバイス
「知識ゼロの段階から勉強して修得するには、やや難易度が高く、時間もかかりますが、経理系の転職活動では、応募前提として求められやすい資格ですし、数字から企業を読み解けるという強みがあります。難易度の高い資格について効率的に学ぶには、講座などを受けるのが有効ですが、費用も気になるところ。しかし近年、従業員の生涯学習を支援してくれる企業も多くあります。まずは自分の会社の福利厚生の制度などをチェックしてみてはいかがでしょうか」(西村氏)
副業としても退職後のキャリアとしても有効!ワンモアアドバイス
「お勤めの傍ら、専門知識を生かした仕事をしたい、人の役に立ちたいといった方におすすめなのがファイナンシャルプランナー、キャリアコンサルタントといった国家資格です。資産や人生に関わる専門家の需要はなくなることはありません。本業以外に、自分の強みを生かしながら「もうひとつのお財布」を持つことは、キャリアの幅を広げることはもちろん、生活の安心感にもつながると思います」(西村氏)
資格で自分力アップを目指す人に!
最後に、これから資格取得を考える人に対して、西村氏からメッセージをいただきました。
「どんなに難易度の高い資格を持っていても、その前提として、自身がどういうビジネスパーソンでありたいか、どう生きていくのかという観点がなければ「宝の持ち腐れ」になってしまうリスクがあります。
自分のどんなスキルや特性を活かすことで、どのようなニーズをもった顧客や対象者に、どんな価値を提供するのか。言ってしまえば、自らがサービスの提供者である、その当事者であるという認識、意欲を持てることが一番重要なのだと思います。その延長線上に、自らのそのスキルを公に証明することが可能な資格があるのであれば、目指すのは当然ですし、そのための勉強はきっと「やらされ感」はないはずです。
企業内でも、自身の仕事に当事者意識を持ち取り組めている人は、評価もされていると思います。独立すれば、なおさら残酷なまでに市場評価を受けます。
ひとつの財布で生きていくことが難しくなるかもしれない今、有効な資格は人生のリスクヘッジにもなりますし、生き方の選択肢を増やすことにもつながります。
この新型コロナウイルス感染症の拡大は、間違いなく社会の価値観を大きく変えました。まだ変えている途中なのもしれません。当然不安になることの方が多いと思います。
一方で、それは私達の働き方、生き方を変えるチャンスになる側面も持っているのだろうとも感じています。
資格取得は、手段でしかありません。しかし、これからの人生をどう生きるかというコアを取得動機としてとった資格は、きっとこれからの自分に自信をつけてくれると思いますし、セルフプロモーションをする上で大きな武器になってくれるはずです」(西村氏)
単なるスキルアップだけでなく、自分の可能性を広げ、人生の支えにもなる存在という視点で、資格を見直してみるのはいかがでしょうか。