申告分離課税の使い方が米国株と日本株とで異なる

 日本株の場合、配当金を申告分離課税で確定申告するのは、同じ年の上場株式などの譲渡損(売却損)や、前年以前から繰り越された上場株式などの譲渡損と配当金とを相殺するときです。

 それ以外の場合は、申告分離課税でも源泉徴収のみで完了とさせても、所得税率は同じなので、申告分離課税をあえて用いるメリットはありません。

 しかし、米国株の場合は申告分離課税を選択するシチュエーションが若干異なります。もちろん上記と同様、上場株式などの譲渡損と配当金を損益通算する際に用いることもあるのですが、それ以外に、米国で源泉徴収された税金を「外国税額控除」で取り戻すために使われるのです。

 外国税額控除とは、米国など外国で課税された税金につき、国内外での二重課税排除の観点から、日本で課税された税金の額から差し引いてくれるという仕組みです。米国株の配当金でいえば、税額が差し引かれる前の配当金のうちの10%相当の金額です。

 米国株の場合、配当金の額のうち約28.3%が源泉徴収されています。配当金以外の所得が多い方(課税所得695万円超)は、申告分離課税で確定申告し、かつ外国税額控除の適用を受けることで、このうちおよそ8.5%分を取り戻すことができます。

総合課税を用いるケースとは?

 総合課税を用いるケースは、配当金以外の所得が少ないときです。申告分離課税を選択し、かつ外国税額控除の適用を受けた場合の所得税の税率は15%(復興特別所得税除く)となります。

 したがって、課税所得が330万円以下であれば、所得税の税率は10%なので、申告分離課税や源泉徴収のみで完了させるより、総合課税の方が有利となります。

 ここで気を付けたいのが、配当控除についてです。日本株式の配当金を総合課税で確定申告した場合、配当控除の適用がありますが、外国株式の配当金の場合は配当控除が適用されません。

 そのため、日本株式の配当金であれば課税所得900万円以下なら総合課税で確定申告するのが有利なのですが、外国株式の配当金はそのラインが課税所得330万円以下に下がることになります。