3.低迷している内需関連業種に注目 TOPIX-17業種で見て、1月29日以降で最高のパフォーマンスは鉄鋼・非鉄の+27.0%、最低は医薬品の▲9.3%

 主要国株価のパフォーマンスに差がついていなかった1月29日(図表2の①)を起点とし、日本株がピークを付けた3月19日(同、②)、その後、足元(同、③)までのパフォーマンスをTOPIX-17業種で見ると、トータルで最もパフォーマンスが良かったのが鉄鋼・非鉄の+27.0%でした。

 市場全体が上昇していた①~②が+27.5%で、その後の日本株が調整した②~③でも▲0.4%にとどまりました。逆に最も悪かったのが医薬品で、①~②が+3.0%で、②~③が▲11.9%でした。

 特に、日本株のみが調整局面だった②~③(下図の縦方向)のパフォーマンスを見ると、自動車・輸送機、鉄鋼・非鉄、電機・精密などの外需依存度が高いと思われるセクターの下落が小さかった一方、医薬品、電力・ガス、エネルギー資源、運輸・物流、銀行といった内需依存度が高いと思われるセクターの下落が大きかったことが分かります。

 最も大きく下落した医薬品は、コロナ感染を恐れた高齢者が病院から距離を置くようになり、診療機会が大幅に減少、病院経営が大幅に悪化しているのは各種報道の通りですが、医薬品メーカーにも多大な影響が出ているようです。

 今後、ワクチン接種が加速し、内需依存度が高く、パフォーマンスが低迷しているセクター群が大きく戻すような状況が来れば、市場全体のパフォーマンスも改善、引き離された他の先進国に追いつけるのではないかと期待しています。

[図表3] TOPIX-17業種の株価パフォーマンス動向

期間:2021年1月29日~2021年5月26日
※TOPIX(東証株価指数)とTOPIX-17業種の株価リターン
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1621)
NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1628)

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