いかにバブルに乗るかで投資家人生が決まる

──これから投資を始めたいという読者にアドバイスをお願いします。

 もし投資を始めるか迷っている人がいたら、当たり前すぎますが、今すぐ証券口座を作ったほうがいいと言いたいですね。やらない言い訳を思いつく前に即行動することが、投資家で生き残るための素質の一つだと思います。

 最初の投資は少額でいいんです。1万円を2万円にすることができない人が、100万円を200万円にすることなんてできません。

 株式投資には特に少額でやれる部分について、仕組みが甘いところがたくさんあります。そこに気づき、突けるかどうか。よく観察し、よく考え、よく調べ、いろいろ試してみることです。

 日本株に投資する場合、100株単位でしか買えないので、現実には1万円では厳しいですが、自分で買える範囲でトライしてほしいと思います。

──ほかに大事なことは?

 僕は、個人投資家が大金を手にするには、10年に一度か二度訪れるバブルにうまく乗るしかないと思っています。僕自身、アベノミクスに乗れたから大きく増やすことができましたが、それがなかったら、首尾よく1億円には手が届かなかったでしょう。

 でも、そういう好機はいつ訪れるかは分かりません。今年中にやってくるかもしれないし、5年先かもしれない。だから、たとえ相場がパッとしなくても投資を続けることです。やめてしまったら、バブルが訪れたとき、乗り遅れてしまいますから。

──相場がよくないときはあまり無茶をせず、堅実な勝ちを目指すべきでしょうか。

 僕はそう思います。それで10年に一度か二度の好機がやってきたら、勝負に打って出るんです。

──その好機を事前に察知する手はないんでしょうか。

 例えば新高値銘柄の数を毎日、数えるのは一つの手かもしれません。ある日を境に急に増えたりしたら、何かが起こっている可能性があります。ただし、一過性の動きに過ぎないこともあるので、あまり判断を急がないほうがいいでしょう。

夕凪さんがいま注目の日本株5選は?

──コロナ禍ですが、夕凪さんが目を付けている業種や、業界などはありますか。

 アフターコロナを見据えると、一つはレジャー関連でしょうね。新型コロナが落ち着いたら、国内外を問わず、旅行や観光に行く人がドッと増えるでしょうから。ほかにファッション関連なども息を吹き返す可能性があると思います。

──具体的に注目している銘柄はありますか。

 レジャー関連だと、旅行比較サイト「トラベルコ」を運営するオープンドア(3926)、クルーズ旅行専門のオンライン旅行会社のベストワンドットコム(6577)、中部地方を中心にホテルを展開するグリーンズ(6547)など。

 ファッション関連だとユナイテッドアローズ(7606)東京ベース(3415)などがおもしろいと思います。ただし、チャートを見る限り、どれも動きはまだ鈍いんですね。新高値がつくような状況ではありません。だから、個人的にはもうしばらく様子見かなと思っています(編集注:2021年5月12日取材)。

──逆張りが好きな人はもう買っているかもしれませんね。

 そうかもしれません。彼らは春を待たずに買いますから(笑)。ただ買ったはいいけれど、結局、春が訪れないということがあるわけです。

──イベントという視点でこの先、注目すべきことはありますか。

 来年2022年4月、東京証券取引所の市場区分が変更されますよね。「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編される予定ですが、今の1部上場企業の中にはプライムへの移行が難しいところがあるでしょう。

 そうした企業はどうするのか。親会社がTOBするとか、どこかと合併するとか、そういう動きが起こるかもしれません。今後の動向を見守りたいですね。大きなチャンスがやってくるかもしれません。

──有意義なお話をありがとうございました。

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