1.コロナショックのボトムからの急回復が上昇一服 コロナショックで付けたボトムから約1年かけて急回復も、足元で上昇一服

 世界を震撼させたコロナショックから1年が経過しました。人類を襲ったパンデミックは、ワクチン接種が進捗(しんちょく)している英米などでは新規感染者数が減少していますが、一方でインドなどの新興国はパンデミックの真っただ中にあり、世界的に見ればいまだ終息の様相を見せていません。

 しかし、株式市場については、例えば、日経平均株価は昨年3月19日に1万6,552円の安値を付けた後、財政支援や金融緩和などが手伝って力強く上昇し、今年2月に約30年ぶりに3万円台を回復、2月16日には3万467円の高値を付けました。

 飛ぶ鳥を落とす勢いだった春先頃には、マーケット関係者の間では、「年内に3万5,000円」だとか、「4万円の史上最高値更新は近い」などといった『超楽観的見通し』が相次いでいましたが、そういう極端な意見が出る時は、得てして「変曲点」となることが多く、今回も2月の高値以降の展開を見ると、変曲点になってしまった可能性が高いと思います。

 2月の高値以降、企業業績などのファンダメンタルズは好調を示すものが目立った一方で、マーケット自体は頭の重たい展開となり、ダラダラと調整含みとなりました。

 そして、乱調な米ハイテク株の影響もあってか、5月の大型連休明けに下げ足を速めています。勢い良く上昇を続けてきた日本株が、この先どうなるのか、今回はこの点を考えたいと思います。

[図表1] 日経平均株価の推移

期間:2020年1月6日~2021年5月12日、日次
(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成