買い注文の入れ方:5つの戦略
◆買い注文の入れ方【1】 下値に買い指値を入れる
上記の板状況でA社株を買おうとするとき、「797円で100株の買い」のように、現値よりも下に、買い指値を入れることもできます。ただし、その場合は、株価が797円まで下がらないと、買えません。株価が797円まで下がっても、すぐに買えるわけではありません。先に入っている買い指値注文8,400株がすべて約定(やくじょう)した後、さらに797円で売り注文が入れば、その時、797円で買えます。
もっと早く買いたい時は、どうしたら良いでしょう?
◆買い注文の入れ方【2】 先頭に買い指値を入れる
「800円で100株の買い」というように、今、見えている買い指値よりも上に買い指値を入れることもできます。こうすれば、800円以下の売り注文が入ったときに、最初に約定します。ただし、800円以下で売る注文が入らないと、買うことはできません。
すぐに買いたい場合は、どうしたら良いでしょう?
◆買い注文の入れ方【3】 売り指値のあるところに買い指値する
「801円で100株の買い」というように、今、売り指値が入っているところに、買い指値することもできます。場にある指値注文が変わらなければ、801円で100株買えます。
ただし、一瞬先に、801円以上で9,200株以上買い注文が入ってしまうと、801円の売り指値はなくなりますので、買うことはできません。その場合は、801円で100株の買い指値注文として、場に残ります。
より確実にすぐ買いたい場合は、どうしたら良いでしょう?
◆買い注文の入れ方【4】 上値に買い指値を入れる
「803円で100株の買い」というように、上値に指値を入れることもできます。場にある指値注文が変わらなければ、801円で100株買えます。
「803円で買い指値したら、803円で買えてしまう」と勘違いしている人もいます。803円の買い指値注文とは、正確に言うと、「803円以下のもっとも有利な価格で買う」注文です。801円に売り指値があれば、801円で買えます。801円に買い指値するのと、結果は同じです。
それでは、801円ではなく、あえて、803円に買い指値する意味は何でしょう? それは、一瞬先に、801円や802円の売り指値を買われてしまった時でも、803円で買うことができるということです。
価格を指定しないで確実に買うには、どうしたら良いでしょう? その場合は、指値ではなく、成行(なりゆき)で買い注文を入れます。
◆買い注文の入れ方【5】 成行(なりゆき)で買い注文を入れる
確実に100株買いたければ、指値ではなく、成行(なりゆき)の買い注文を入れるべきです。成行で買いを出せば、その時点で場にでている指値売り注文のうち、一番安いものにヒットし、即座に買いが成立します。上記のA社で、板が変わらなければ、801円で100株買えます。
成行ならばほぼ確実に買うことができますが、まれに、成行買いが一時に大量に入り過ぎて、約定しないまま終わることもあります。
トンでもない高値の買いを避けるには、成行でなく、上値に指値した方が良い
今日中に、必ず買いたい銘柄には、成行で買いを入れるのが普通ですが、成行注文には、欠点もあります。高速取引が普及している今日、一瞬先に大量の成行買いが入って、板に出ている安値の売り物が全部取られてしまうこともあります。そうなると、一瞬後に入ったあなたの成行買い注文は、とんでもない高値で約定することになります。
以下のような板のときは、要注意です。
<B社株の取引時間中の板(いた)情報>
798円に1万2,600株もの買い注文が入っています。一方、売り指値は少ししか入っていません。下値の買い注文の一部が成行に変わると、見えている売り指値はすべて取られて、あっという間に、株価が急騰することもあります。
804円までならば買いたいが、それ以上、高値では買いたくないならば、成行ではなく、804円の指値で買いを入れるべきです。
運よく、板が変わらなければ、801円で買えます。801円の売り物が先に取られても、804円の売りが残っていれば、804円で買えます。