日銀は現水準では買わない?

 4月に入ってから、日銀の日本株ETF(上場投資信託)買いがまったくありません。3月31日に12億円買ったのが最後で、4月からは買いを止めています。3月19日の金融政策決定会合で政策変更した通り、現在の水準では日本株は買わない姿勢を明確にしていると考えられます。

日本銀行による日本株ETFの月間買入額:2015年1月~2021年4月(13日まで)

出所:日本銀行の発表データより作成

 3月19日に日銀は、以下の通り、ETF買い付け方針の変更を発表しています。

【1】「日本株ETFを年間6兆円買い入れする原則」を削除
【2】必要に応じて「年間上限12兆円まで日本株ETFを買い入れる」方針は残す
【3】日経平均連動型のETF買い付けはやめる。買う場合は、TOPIX連動型ETFにする

 日銀の発表は、「日経平均が高い水準の時は買わず、急落した時だけ買う」ことを明確にしたものと解釈されます。実際、4月はまったく買っていません。また、「日経平均だけを集中的に買い上げるのはやめて、東証一部全体を買う」とも表明しています。

 4月に日銀のETF買いがまったくないのは、この発表通り、「現水準では買わない、大きく下がった時だけ買う」姿勢を明確にしていると考えられます。