新規ランクイン銘柄、ランク外となった銘柄
今月の新規ランキング銘柄は、東海東京FHD(8616)と平和(6412)の2銘柄です。
東海東京FHDは一気にランキングトップに躍り出ています。3月24日に期末配当金を14円にすると発表(年間配当金は22円)し、配当権利取り妙味が急速に高まって株価が上昇したことで、時価総額が1,000億円の大台に達したことが背景です。
注意したい点として、同社の配当利回りコンセンサス7.90%は、年間配当金32円がベースとなっています。ややコンセンサスが高すぎるきらいもありますが、足元の業績回復基調をベースにすると、2022年3月期の配当はコンセンサスに近い水準に達する可能性もあるでしょう。
平和に関しては、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を買い推奨に格上げしました。それを受けて株価は上昇しましたが、コンセンサスレーティングが引き上がったことで、ランクインする形になっています。
前月のランキング銘柄で今回ランク外となったのは、電源開発(9513)と三菱HCキャピタル(8593:旧三菱UFJリース)の2銘柄です。株価上昇による利回りの低下が主因ですが、電源開発に関しては、業績見通しの発表で安心感が強まったことも株高の背景となっています。
相場の注目点
バイデン米大統領は8年間で2兆ドル規模をあてるインフラ投資計画を発表しました。これにより、短期的には材料出尽くし感も否めない状況と考えます。今後は、大規模投資実施によるインフレ思惑の高まりから、長期金利のさらなる上昇が想定されそうです。
また、法人税増税やキャピタルゲイン税の引き上げなど、株式市場にとってネガティブな材料はいまだ消化不良の印象があります。目先的には高値波乱の動きなどを十分に警戒する必要が強いと考えます。
一方、4月後半からは2021年3月期の決算発表がスタートします。業績回復に伴う2022年3月期の増配見通し表明などが相次ぐとみられ、とりわけ、高配当銘柄の増配アナウンスは株価へのインパクトも強まりそうです。相対的なバリュー株(高配当利回り銘柄含む)優位の流れに変化はないとみられます。