これから選ぶ景気敏感株・割安株の注意点

1:業績の数値そのものよりも、よい方向へ変化しているか

 景気敏感株や割安株が上昇するときは、例えば「鉄鋼株なら何でも上がる」とか「銀行株が一斉に上がる」など、同じ業種であれば業績に関係なく同じ方向に株価が推移することが多いのです。とはいえ、そんな中でもやはり業績が全く好転しない銘柄よりは、業績がよくなっている銘柄の方が上昇率も大きくなりやすいのも確かです。

 その際、特に景気敏感株の場合に注意すべきなのは「業績が明らかによいかどうか」ではなく「業績はまだまだイマイチでも、よい方向へ変化しているかどうか」に着目すべきという点です。

 例えば前の年に比べて増収増益になっているか、というよりも、「3,000億円の赤字がプラスマイナスゼロにまで改善」とか、「赤字だった来期予想が黒字に転換」といったような、よい方向への変化が起きているだけで、実は株価には大きなプラスインパクトをもたらすことが多いからです。

 逆に、業績が誰の目から見ても明らかによくなるのを待ってから買おうとすると、すでに株価は底値からかなり上昇していて、下手をすると天井間近という可能性すらあります。

 景気敏感株はたとえ赤字継続だったり、まだまだ黒字の額が少なくても、業績がよい方向に変化しているならば積極的に投資対象とすべきというのが筆者の考えです。