優待があるからこそ長期保有できる

──わっけさんの動画は、タイトルにもあるように株主優待ネタが多いです。もともと優待好きだったのですか。

 はい、今も保有銘柄のほとんどが優待株です。

──投資を始めたときからですか。

 いいえ、最初は違いました。僕は社会人になって数年目、2015年に株式投資を始めたのですが、その頃は優待はまったく意識していませんでした。

──何がきっかけで投資を始めたのですか。

 今の時代は何が起こるかわかりません。会社員として真面目に働いていれば将来は安泰かというと、そんなことはありません。

 だったら、若いうちからもう1つ収入源を確保しておくべきではないかと思いました。それで、友人のすすめもあり、株式投資を始めたんです。

──最初に買った銘柄を教えてください。

 旭化成です。その頃、旭化成にちょっとした不祥事あり、株価が急落したんです。たしか2日か3日連続でストップ安になりました。

──大きく下落したからじきに上がるだろう、ということでしょうか?

 はい、その不祥事は会社全体を揺るがすようなものではなかったんです。ある特定の部門で起こったもので、ほかの部門はおおむね好調を維持していました。だとしたら、下落は一時的なもので、そう遠からず上昇に向かうだろうと考えました。

 結果、予想が当たり、そこそこの利益を出すことができました。

──はじめての投資とは思えない判断です! もともと投資の知識があったのでしょうか、それともかなり勉強したのですか。

 いえいえ、投資に関してはまったくの素人でした。ただ、仕事が金融関連なので、決算短信が読めるくらいの知識はありました。それが多少有利に働いたかもしれません。

──その後、成績はどうでしたか。

 勝ったり負けたりです。大きく勝ってひと財産できたとか、負け続けて借金ができたとか、そういうことはありません。

──株主優待銘柄に注目するようになったのはなぜですか?

 その頃、僕は1つの銘柄を長期間持ち続けることは少なかったんです。ちょっと上がるとすぐに売っていたし、反対に下がったときも大ケガする前に売るようにしていました。 

 そんな中、たまたま買った銘柄が優待付きだったことがあり、それらはすぐに売らず、持ち続けることが多かったんです。

──売らなければ優待がもらえるので保有していた、ということでしょうか。

 そうです。これもよく言われることだと思うのですが、配当金より優待品が現物で届くというのは特別感もあり、長く保有しようとも思いました。

──たしかに権利確定日が迫っていたら、その日まで持っていようと思いますね。

 もちろん、その会社の業績が悪化し、回復の兆しすら見られなかったら売ります。いくら優待をもらえても、株価が大きく下落したら損をしてしまいます。

 でもちょっと下落したくらいなら、すぐに復活するかもしれないし、そこから上昇するかもしれません。その可能性があるなら、とりあえず持っておこうと思いました。

──それでいつしか、優待銘柄を中心に買うようになったのですか。

 はい。投資を始めて2、3年後からは優待銘柄ばかり買うようになりました。

──優待品が届くとうれしいですよね。

 僕の場合、どれもそんなに多く保有しているわけではないので、決して高価なものが届くわけではありません。2,000円分とか3,000円分とか、そんな程度です。

 それでもタダでもらえると、やっぱりうれしいです。まだ経験したことのない人はぜひ試してみてほしいです。