三大割安株は金融・資源・製造

 日本株でも、同じことが起こっています。グロース株の値下がりが大きいものの、バリュー株は堅調です。それが、TOPIXバリュー指数とTOPIXグロース指数の値動きの差に表れています。

TOPIXバリュー指数とTOPIXグロース指数の値動き比較:2020年末~2021年3月5日

出所:東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成
※指数は、配当込み

 バリュー株には、私が「三大割安株」と呼んで「買い推奨」を続けてきた大型の高配当利回り株が含まれます。

「三大割安株」とは、金融株、資源関連株、製造業のことで、株価バリュエーションが低く、配当利回りの高い銘柄が多いことから私がそのようにネーミングしています。

 コロナ禍で業績が悪化し、2020年は株価低迷が続いてきましたが、足元では金利上昇、資源価格上昇、世界景気回復によって業績回復期待が高まってきたことから、株価が好調に推移しています。

 グロース株は、コロナ禍でも業績が相対的に好調だったIT関連やバイオ株などが含まれます。2020年は、業績不振のバリュー株が売られる中、業績も株価もきわめて好調でした。

 ところが、2021年に入り、米金利上昇をきっかけに、世界的にグロース株が売られる中で、日本でもグロース株の下落が目立っています。

 以下の通り、2020年まで含めると、グロース株の方がバリュー株よりパフォーマンスがはるかに良くなっています。

TOPIXバリュー指数とTOPIXグロース指数の値動き比較:2019年末~2021年3月5日

出所:東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成
※指数は配当込み

 2021年だけ見る、つまり上のグラフの赤で囲んだところだけ見ると、バリュー指数の方がパフォーマンスが良いのですが、2020年初めから通して見ると、グロース指数の方が上昇率が高いことがわかります。