米国株のスピード調整、まだ続く?

 8月まで急ピッチで上昇、最高値更新が続いてきた米国ナスダック総合指数ですが、9月に入ってから急反落しました。

 9月21日の終値(10,778.798)は直近の高値(9月2日の12,074.065)より▲10.7%低い水準です。NYダウも、同様に調整しています。9月22日のナスダックは、前日比+1.7%と反発しています。

ナスダック総合指数・NYダウ・上海総合指数・日経平均の動き比較:2020年1月1日~9月21日(日経平均は9月18日まで)

 ナスダックが8月まで強かったのは、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)など、世界のITインフラを支配しているIT大手の構成比が高いからです。

 コロナ危機によって、世界中で、第4次産業革命が加速しつつあることから、GAFAMの成長期待が一段と高まっています。

 ただ、8月までの上昇ピッチが速過ぎたため、9月はスピード調整となっています。足元は、調整十分とみる向きの押し目買いも入り始めており、いったん下げ止まるか、正念場です。

 上海総合指数と日経平均は、米国株が調整している割には、堅調です。いちはやくコロナ感染拡大を押さえ込むのに成功した中国経済の回復色が強まりつつあることから、一部、米国株を売って、アジア株へ乗り換える動きが出ていると考えられます。

 日本株も、中国回復の恩恵を受けるとして、米国株→アジア株への資金シフトの流れが出る中で、相対的に堅調です。

 ただし、足元、円高が進んだことは、外国人が日本株を売る要因となります。外国人は、日本の企業業績が円高でダメージを受けることをよく知っているからです。これ以上、円高が進むか、要注意です。