先週の日経平均振り返り:菅内閣発足を好感して上昇も、円高進行で反落
連休前の日経平均株価は、1週間で46円下がり、2万3,360円となりました。
日経平均日足:2020年5月1日~9月18日
【1】先週月曜日(9月14日)の日経平均は、菅氏の総裁選大勝を好感して上昇
9月14日(月)、アベノミクス継承を前面に打ち出す菅氏が自民党総裁選に圧勝したことを好感し、日経平均は一時2万3,582円まで上昇。いよいよボックスを抜けて、上値を試すかと見られました。
アベノミクスの金融・財政政策を維持することに加え、規制緩和に力を入れることに期待が高まりました。日本経済新聞社とテレビ東京が16~17日に実施した世論調査によると、内閣支持率は74%と、安倍内閣での8月の調査から19ポイント上昇しました。
【2】先週後半は、円高を嫌気して、反落
日経平均は、週後半に反落。1ドル104円台まで円高が進んだことが嫌気されました。9月16日(水)に米国の金融政策を決めるFOMC(米連邦公開市場委員会)結果が発表され、ゼロ金利を長期継続する方針が示されたことを受け、ドル安(円高)が進みました。
日本が連休中だった9月21日には、一時1ドル104.00円を付けました。ただし、その後、円安に戻り、日本時間で9月23日の午前6時45分現在、1ドル104.89ドルです。
ドル/円為替レート推移:2020年1月2日~9月23日午前6時45分
米FRB(連邦準備制度理事会)は、16日、長期に低金利政策を維持する「フォワード・ガイダンス」を導入しました。
完全雇用まで労働市場が回復し、インフレ率が2%達成、一時的に2%を上回る経路に入らない限り、ゼロ金利を解除しないと約束。少なくとも、2023年末まではゼロ金利が維持されるとの見通しを示しました。
コロナが収束し、経済が回復しても、ゼロ金利は簡単には解除されないとFRBが確約した形となりました。これを受けて、為替市場でドルが全面安となりました。
米国株のスピード調整、まだ続く?
8月まで急ピッチで上昇、最高値更新が続いてきた米国ナスダック総合指数ですが、9月に入ってから急反落しました。
9月21日の終値(10,778.798)は直近の高値(9月2日の12,074.065)より▲10.7%低い水準です。NYダウも、同様に調整しています。9月22日のナスダックは、前日比+1.7%と反発しています。
ナスダック総合指数・NYダウ・上海総合指数・日経平均の動き比較:2020年1月1日~9月21日(日経平均は9月18日まで)
ナスダックが8月まで強かったのは、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)など、世界のITインフラを支配しているIT大手の構成比が高いからです。
コロナ危機によって、世界中で、第4次産業革命が加速しつつあることから、GAFAMの成長期待が一段と高まっています。
ただ、8月までの上昇ピッチが速過ぎたため、9月はスピード調整となっています。足元は、調整十分とみる向きの押し目買いも入り始めており、いったん下げ止まるか、正念場です。
上海総合指数と日経平均は、米国株が調整している割には、堅調です。いちはやくコロナ感染拡大を押さえ込むのに成功した中国経済の回復色が強まりつつあることから、一部、米国株を売って、アジア株へ乗り換える動きが出ていると考えられます。
日本株も、中国回復の恩恵を受けるとして、米国株→アジア株への資金シフトの流れが出る中で、相対的に堅調です。
ただし、足元、円高が進んだことは、外国人が日本株を売る要因となります。外国人は、日本の企業業績が円高でダメージを受けることをよく知っているからです。これ以上、円高が進むか、要注意です。
今週の日本株は「押し目買い」方針。円高や米国株安を嫌気して下げる局面を待つ
日本株は割安で、長期的に買い場との判断を維持します。これまでも、これからも短期的に急落・急騰を繰り返しながら、長期的に上昇していくと考えています。
円高や米国株の調整を嫌気して、日経平均が下がる局面があれば、下がったところで、割安な日本株を買い増ししていくことは、長期的な資産形成に寄与すると思います。
波乱材料は円高だけでなく、いろいろ残っています。米中対立の激化、米大統領選の行方にも当面、注意が必要です。
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