お金よりモノをもらったほうがうれしい

──では、いつ頃、株主優待にハマったのですか。

 2011年か2012年くらいだと思います。それまでも給与の一部やボーナスが入ったタイミングなどで、気になった株を買ったり、成績が良かった株を買い足したりはしていたんですが、優待銘柄かどうかは特に意識していませんでした。

 ただ、ある時、回転寿司など飲食チェーンを展開する「アトム」(7412)という会社の株を買ったら、そこがたまたま優待銘柄で、チェーン店舗で使えるお食事券が届いたんです。で、せっかくだからと思って、その回転寿司店に行くと、当たり前ですが、タダで美味しいお寿司を食べることができました。それがなんだか妙にうれしかったんです。自分だけ優待券で寿司を食べる優越感と、美味しいものをお得に食べられたという体験が衝撃で(笑)。それ以降、どうせ株を買うなら、何かもらえる優待銘柄にしたほうがおトクじゃないかと考えるようになりました。

──配当金や株価上昇などのお金でもらえる利益よりも、モノのほうがうれしいですか?

 人それぞれでしょうけれど、僕はモノをもらうとテンションが上がります。そもそも株主優待は、優待品と配当金、両方もらえるところも多いですし。

──ちなみに当時は何銘柄くらい持っていたんですか。

 はっきりは覚えていませんが、数十銘柄あったと思います。アトムをきっかけに、10年間で、250銘柄に増えました。今持っているのはほとんどが優待銘柄です。

──トコタンさんは会社員ですよね。社会人1年目に投資を始めて20年目ということですが、給料のどれくらいを投資に回していたんですか?

 お金に余裕ができた時や、配当金をもらった時にそれで追加するレベルで、無理は全然していません。ほとんどの株主優待は最低単元の100株保有していれば権利を得られます。株価によりますが、数万円で買える銘柄も少なくありません。実際、僕も、優待品がもらえる最低単元のみ保有している銘柄が多いので、すべて合わせても驚くような金額にはなりませんよ。保有銘柄こそ250銘柄と多いけれど、資産家ではないんです(笑)。

──普通の会社員で、無理をしなくても、250銘柄保有することができるということですね?

 はい。年月をかければできます(笑)。