優待の中身だけでなく、業績や将来性もチェックすべき
──買い時さんが選ぶ、9月権利確定の優待銘柄を教えていただけますか。
具体的な銘柄名に触れる前に、数ある優待銘柄の中からどういう基準で選ぶかを少しお話しします。たぶん、どんな物をもらえるか、どれだけおトクなのかで選ぶ人が多いと思います。それは当然ですし、否定する気はありません。
ただ、僕は、その銘柄本来の価値、つまり将来株価が上がるかどうかも検討するのが重要だと思います。たとえ5,000円の高級メロンをもらっても、株価が下がって1万円の損失が出たら、収支はマイナスですから…。
──たしかにそうですね。
銘柄の株価が上がるか下がるかを考えるのは、それなりに知識もいりますし面倒です。でも、できればその企業の業績や将来性も考慮したほうがいいと思います。
まったく知識がないと財務諸表などを見ても、ちんぷんかんぷんでしょう。でも、例えば売り上げや利益が伸びているかとか、出店のペースが順調なのかとか、そういったことなら調べられるはずです。
そういう基本的なことをチェックすれば、明らかに業績が悪化している企業の株に手を出してしまうことは避けられると思います。
──業績が悪化して株式優待を取り止めることもありますよね。
はい、そうなったらその銘柄を買った意味がなくなってしまいます。
──買い時さんはどういうデータを重視されているのですか。
いろいろありますが、自己資本比率と有利子負債は必ずチェックします。自己資本比率は40%以上だと、まず倒産しないと言われてます。
あと、フリーキャッシュフローも重要視します。優待銘柄を選ぶときにフリーキャッシュフローをチェックするなんて僕ぐらいかもしれませんが(笑)、フリーキャッシュフローがプラスだと、増配したり優待拡充したりできるので、かなり重要な指標だと思います。