プレゼンは短期決戦、投資は短期見直し

 超多忙なC山社長へのプレゼンテーションは、まるでエレベーターが上から下に下りるまでのような短時間で説明する、通称「エレベーターブリーフィング」を求められます。

 話が横道にそれると「集中している話題以外のことを話すな」と言われるほどシビアな人柄ですが、実のある話であればどんなに多忙でもしっかり話を聞き、要点をすばやくつかむ、頭の回転の非常に速い方でした。数字に直感も交えて判断を下す、まさに即断即決タイプです。

 そんなC社長が重視するのは「その投資が、リスクに見合った経済的合理性があるかどうか」の一点のみ。運用商品が面白そうだとか、新商品だからとか、珍しい投資先だとかは一切興味はありません。本業と同じく、肌感覚で理解できるリスクに、期待できるリターンが見合うかどうかが重要です。

 また、不動産投資にも利益を確定する出口があるように、金融商品でも出口が必要です。そのような点で、C社長にはオーダーメード型債券は好印象でした。

 また、不動産投資は一般的にレバレッジをかけます。計算に基づいた投資ですから、手元資金を大きく膨らませて投資することもよくあります。C山社長は金融投資においても同様の感覚をお持ちでした。つまり、余計なリスクを取ってハイリターンを狙うよりも、きっちり理詰めで投資した商品の投資額を大きく膨らませてリターンの最大化を図る、というものです。

 結果的にC山社長が選んだのは、同一商品を、満期時期をずらして複数保有する、という投資スタイル。同じ商品ばかりを保有するということは珍しいケースですが、満期をすべて1年に設定し、投資のタイミングをそれぞれずらせば、利払い日と満期日をスライドできるため、タイミングを含めたリスク分散が可能になります。満期が来れば、再投資の際に条件の見直しも行うことができ、変化する経済環境にも対応していくことができます。