14日の日経平均は、114円安の16,614円でした。13日のNYダウが原油安を嫌気して258ドル安となった流れを受け、日経平均も売られました。

 14日のNYダウは、31ドル安の18,034ドルと小幅に続落しました。CME日経平均先物(12月限)は16,350円でした。14日の日経平均終値(16,614円)から計算される先物の理論値16,484円よりも、134円安い水準に下がったことになります(この部分の詳しい説明が必要な方は昨日のレポートをご覧ください)。

 今日は、9月配当金を受け取るための注意点を書きます。9月に中間決算を迎える銘柄を9月27日(火)までに購入すると、9月末の株主に割り当てられる中間配当金を受け取る権利が得られます。権利取りをねらって配当利回りの高い9月に中間決算を迎える銘柄を買うのも悪い戦略ではないと思います。ただし、注意すべき点が、4つあります。

 

(1)まず、決算期を確認しましょう

 まず、買おうと思っている銘柄の、決算期を確認しましょう。日本では大半の銘柄が3月決算ですが、一部異なる決算期の会社もあります。

 小売業には、2月決算銘柄もたくさんあります。たとえば、ローソン(2651)は2月決算です。予想配当利回りは3.4%(9月14日時点)と魅力的ですが、8月末の中間配当を取るには8月26日までに買わなければなりませんでした。既にその期日は過ぎています。ローソンの場合は、今から買っても受け取れる配当は、2017年2月末の期末配当金からとなります。

 9月に中間配当を支払う予定のある会社かどうかも確認しましょう。日本では、ほとんどの企業が中間配当を実施しています。年間配当の約半分を9月末の株主に支払い、残り半分を3月末の株主に払うことが多いといえます。配当利回り3%という場合、半分(1.5%分)を9月に、残り半分(1.5%)を3月に支払う場合が多いのです。

 たとえば、NTTドコモ(9437)は、3月決算で、予想配当利回りは3.2%と魅力的ですが、9月の中間配当で約半分を支払い、残り半分を来年3月末の期末配当で支払う計画としています。

 なお、配当金について源泉分離課税を選択している場合は、今年から20%の源泉税が差し引かれます。非課税のNISA口座で保有している銘柄については、配当から源泉税が引かれることはありません。

 

(2)配当取りの買いで既に値上がりしている銘柄は避けた方がいい

 9月決算の好配当利回り銘柄を、9月27日に買えば、買ってすぐ中間配当を受け取る権利が確定します。得をした気分になりますが、実は、必ずしも得にならない場合があります。

 好配当で有名な銘柄は、権利取り確定日にかけて株価が急上昇し、権利確定直後に、権利落ちで株価が急落することもあるからです。権利確定後に、受け取った配当以上に株価が下がることがありますので、要注意です。

 

(3)業績が急速に悪化している銘柄は避ける

 今出ている配当利回りは、あくまでも予想配当に基づく利回りです。業績が著しく悪化している銘柄では、決算確定後に減配が発表されることもあります。予想配当利回りが極端に高い銘柄、たとえば5%とか6%には、減配リスクの高い銘柄が多いので要注意です。

 

(4)9月21日に重大イベントを控えていることを意識

 9月21日に、日米金融政策の発表を控えています。日銀の追加緩和がなく(あるいは小手先の緩和策が発表)、米FRBの利上げがないと、短期的に円高・株安になる可能性もあります。下がった時にも買い増しできるように、少しずつ買い増ししていけることが理想的です。

参考:10万円以下で買える好配当利回り株で、9月に中間配当金を支払う予定のあるもの

(金額単位:円)

コード 銘柄名 予想配当利回り 14日株価 最低投資金額
8411 みずほFG 4.3% 173.3 17,330
5020 JX HLDG 4.1% 394.2 39,420
8002 丸紅 3.7% 511.5 51,150
8306 三菱UFJ FG 3.5% 507.5 50,750
9412 スカパーJSAT HD 3.4% 467 46,700

(出所:予想配当利回りは会社の予想1株当たり配当金(中間配当金と期末配当金の合計)を14日の株価で割って算出。楽天証券経済研究所が作成)