一時的な減益や特損、不祥事で売られたところを逆張り!
その後、テンバガーを達成した不動産ファンド関連株は、2007年に米国で勃発したサブプライムローン問題の余波を受けて、経営破綻したり、筆頭株主が変わったりして、バブルが崩壊。DAIBOUCHOUさんも大きな損失をこうむることとなった。
そこで投資スタイルを調整。アベノミクス相場以降は「人気がない、人気テーマでない」タイプ、「一時的な損失、不採算案件で売られた」タイプという2種類の銘柄に幅広く分散投資。「守りながらも攻めて着実に増やす」という新たな「サイクル投資法」を開発したDAIBOUCHOUさん。
「赤字の不動産仲介FC(フランチャイズ)を買収して業績に不安定感があった集合住宅向けITネットワーク敷設事業のギガプライズ(3830)、2015年に経営者のインサイダー取引疑惑や業績下方修正で株価が急落した神戸物産(3038)、不採算案件の発生で2015年6月期に減益を発表し株価が下落した連結会計システムのアバント(3836)などを割安度、業績自体は堅調、成長持続をアピールする中期経営計画の発表などを理由に底値買いしました。そして、業績がV字回復したり、急拡大することで株価も上昇。大きく利益を出すことができました」(DAIBOUCHOUさん)
「一時的な業績不振」や「不祥事」「M&A(企業の買収・合併)の失敗や既存事業撤退にともなう特別損失の計上」といった負の要素で株価が急落した銘柄を観察。これらの銘柄に今後、業績成長する要素があると確信すれば、逆張りもいとわず底値買いするというのがDAIBOUCHOUさんの投資スタイルだ。
いまや「ピカピカの成長株」といえる「業務スーパー」の神戸物産だが、DAIBOUCHOUさんが投資を始めた時点では「経営者のインサイダー取引疑惑(不起訴)や為替デリバティブによる特別損失の計上で株価も陰の極みでした。でも『業務スーパー』を訪れるお客は、経営陣のインサイダー取引疑惑など気にせず、来店・購入を続けていて、業績自体は絶好調でした」。
逆境にあり、株価も低迷した企業の中に、今後、業績が回復し、成長持続の要素があるかどうか、徹底的に分析できたからこその大成功といえるだろう。
上場後、赤字続きで下落していたライフネット生命保険(7157)への投資では、赤字拡大より新規契約獲得を優先する新社長の就任で業績成長が見込めると逆張り投資して見事、成功。「経営陣の交代」や「事業の一角に急成長しそうな部門がある」といった期待感も銘柄発掘の決め手になるようだ。