※このインタビューは2018年11月30日に実施し、2018年12月19日に初回掲載したものです。

 アクティブファンドをメインに運用する、人気投信ブロガー、rennyさんインタビューの後編をお届けします。今回は、個別株に手を出さない理由、投資初心者にすすめるファンドなどについて聞きました。

資金と時間の制約があったため個別株投資は断念した

──ひとつ疑問があります。rennyさんが購入しているアクティブファンドに組み込まれている銘柄は、まあ、全部が全部ではないのかもしれませんが、基本的には「応援したい会社」なわけですよね。だったら、それらの個別株を購入する手もあると思うのですが。

 そうしない理由はいろいろあるのですが、ひとつは資金面です。ひとつふたつ買うならともかく、いくつもの銘柄を買い揃えようと思ったらかなりまとまった資金が必要ですから。もうひとつは、僕は会社勤めなので、毎日企業情報や株価チャートをチェックしたりする余裕がないからです。

──実際、個別株を買ったことはないのですか。

 じつは十数年前、投資を始めようと思ったとき、最初は個別株に挑戦してみようと考えていたんです。仕事で海外の製薬会社やバイオベンチャーの事情に詳しくなり、それらの企業に投資したら面白いだろうなと思い、米国のネット証券に口座を開きました。でも、投資できるお金が限られていたことと、投資に時間をさけないことから断念し、結局、投資信託にしたわけです。

──会社勤めだと時間的に個別株投資は難しい?

 それは人によるでしょう。実際、サラリーマンでも個別株を保有し、きちんと運用している人はいくらでもいますし。僕は仕事が忙しかったし、ちょっと無理かなと思いました。

──でも、同じ投資信託でもアクティブファンドはインデックスファンドに比べて手間がかかりませんか。

 それは誤解です。しょっちゅうファンドを買い換えている人は常に情報収集にあたっていたりするのかもしれませんが、そうでなければそんなにやることはありません。僕にしても月1回発行されるレポートを読み、「今月も変わらず頑張ってくれているな」などと確認するくらいです。

──インデックスファンド派には運用成績すらめったにチェックしないという人もいます。

 それはそれでいいと思いますよ。運用成績をチェックすればパフォーマンスが良くなるというわけではないですし。ただ、僕は前にも話したように、自分がどんな会社に投資しているのかくらいは知っておきたいし、その会社がどのような状況にあるのかも押さえておきたいんです。だから、毎月のレポートはきちんと目を通すし、何かあればちょっと調べてみたりもします。

──それは苦でも何でもないわけですよね。

 そう、むしろレポートを読むのは楽しみです。自分が投資している会社が画期的な新商品を出したりしたらワクワクしますし。

──そこはインデックスファンドにはない良さですね。

 その通りです。もちろん個別株を持っていたほうが企業に投資する醍醐味を味わえると思います。でも、アクティブファンドでもその一端を感じられるはずです。