コロナ後の市場、どう読む?どう動く?

Q:コロナ・ショックがここまで長引くと思っていましたか?

A:最低1年はかかると覚悟

 いち早く、保有株の売り抜けを始めた2月25日当初は予想していませんでした。今後、新型コロナウイルスの世界的な感染収束の見通しが立つのは、少なくとも夏まではかかると考えています。また、個別銘柄の企業業績も含めて、実体経済への影響は、最低1年くらいは残るのではないでしょうか。ただし、株式市場は、先、先を読むものなので、景気の底よりも、株価の底は3~6カ月程度早くなることは意識しています。

Q:今回の急落で学んだことはありますか?

A:売り逃げられない、流動性リスクを痛感

 流動性リスクの大きさを痛感しました。株の専門用語に「流動性ディスカウント」という言葉があるんですが、その現実的な意味を改めて学びました。買い手や売り手が少なく、流動性があまりない銘柄に、大きな資金を投入すると、今回のような急落で売り逃げられないリスクがある、ということです。

 とはいえ、そのリスクを回避するために日経平均先物売りをフル活用できることも、今回の急落で得た、貴重な教訓になりました。

Q:依然、先行き不透明な状況ですが、新たに買うタイミングはいつでしょう?

A:上昇トレンド入りサインが出る日以降

 全体相場の底入れシグナルとしては、成長株投資の理論家であるウィリアム・オニールが提唱している「フォロースルー日の出現」を待つのが重要だと思います。フォロースルー日とは、ある上昇日から始まって、4日目~7日目に、主要株価指数が前日より出来高を増加させて大幅上昇する日のことをいい、上昇トレンドへの転換を示唆します。個別株の投資タイミングは、この「フォロースルー日」などを参考にしたうえで、上昇トレンド入りサインが出た日以降になります。

 もう一つ、底入れシグナルとして目安にできるのが、チャートの形状が、取っ手のついたカップの形になって上昇し始める「カップウィズハンドルパターン」などのいくつかのテクニカルなパターンです。当然、業績面などファンダメンタルズも加味するので、適切な買いのタイミングは銘柄によって大きく異なります。

Q:まだまだコロナ・ショックが続きそうですが、どんな心構えで臨みますか?

A:安易な底値拾いや逆張りは命取り。慎重に大化け株を探す時期!

 まずは暴落で株価が安くなったからといって、決して、底値拾いをしないことですね。安易な逆張り戦略をとるのは危険だと思います。やはり、相場全体の上昇サインが出るまで、辛抱強く待ったほうがいい。かつ、初心者の方は、日経ボラティリティインデックスが25程度以下まで下がるのを待ってもいいと思います。待っている間に、有望な銘柄を探しておき、常に準備をしておくことも大切です。一つだけ確かなのは、次の大化け株は、このような下落相場の中で芽吹く、ということです。焦って底値買いを狙うのではなく、先回りして、どの株が大化けしそうかをじっくり見極める。今はそんな時期だと思います。

Q:コロナ後、どうなると読んでいますか?

A:バブル再発の可能性もあり。期待して待ちます!

 コロナ問題の終息が見えた、または、見えそうな段階で、相場は底を打ち、反転するのではないかと思います。世界の中央銀行が一斉にゼロ(およびマイナス)まで金利を引き下げ、大規模な量的緩和も行っているので、バブル発生の余地は十分にあると考えています。非常に楽しみです。