日本株、DUKE。さん×コロナ・ショック

▼DUKE。さんプロフィール

 人気ブログ「DUKE。のサーフィンインベストメント」やツイッター(@investorduke)で日々、タイムリーな投資情報を発信する専業投資家。上場会社の財務・経理部門に勤務していた2003年、元手400万円で株式投資を開始。ライブドア・ショックやリーマン・ショックで痛手を負いながらも研究に研究を重ね、アベノミクス相場に乗って2015年に資産2億円を突破。2016年から専業投資家に。DUKE。さん主宰の「新高値ブレイク投資塾」は、2期生の募集を開始予定。

コロナ・ショックで資産は増えたor減った?何売ったor何買った?

Q:コロナ・ショックによる株価急落を見て、最初に行ったことはなんですか?

A:2月24日の時点で危険を察知、メルマガで投資塾メンバーに警告発信!

 2月24日の米国株式市場の暴落を見て、それまでの米国株価指数のデータから、危険サインと判断しました。どれくらいの下落になるかは、その時は分かりませんでしたが、下降トレンド入り

するサインが点灯したので、2月24日~3月3日の間、主宰するメルマガの会員向けに、緊急事態である旨を警告した臨時メルマガを急ぎ、配信しました。

 私自身としては、2月25日から、早々に保有株の売却を始めました。ボックス圏を下割れした銘柄や、それまで相対的に弱い動きをしていた銘柄から順に売却を進めていきました。投資している金額が大きいことと、流動性の乏しい銘柄にも投資していたため、「保有ポジションを解消するのにはかなりの時間がかかる」と判断したので、保有株の売却と同時に日経平均先物を売って、ヘッジをかけました。

2月24日に続き2月25日に配信したDUKE。さんの緊急メルマガ。暴落の気配を感じ取り、すぐさまポジション変更するようにメルマガ会員にアラートを送っている。すぐ逃げて、命拾いした人も多く、DUKE。さんのツイートは感謝が多数寄せられている。

Q:コロナ・ショックで損害は出ましたか?

A:早めの処置で、1ケタ程度のかすり傷程度で逃げ切り成功

 暴落中の個別株には当然、買い注文が入らないので、これまでの株価水準からすると、ありえないような安値でしか売却することができません。そのリスクヘッジとして、日本株が全体として下がれば下がるほど利益が出る日経平均先物売りが十分な効果を発揮しました。現物株の売却を進めている間、先物売りのポジションを持っていたことで、精神的にも優位な状態を保てましたし、相場が下がっても先物売りで利益が出たため、被害を最小限に抑えられました。個別銘柄の売買に関しては伏せさせていただきますが、幸い、年始から見て、数%、つまり1ケタ%台の損益で、かすり傷で済んでいます。数%と言っても、金額的には大きいのですが…(笑)。

Q:コロナ・ショック後、新たに株を買いましたか?

A:底値買いはしないポリシーだが、魅力を増した株をチェック中

 暴落時はまだどこまで株価が下がるかわからないので、底値買いはしない、というのが私のポリシーです。かのウォーレン・バフェット氏でも過去に底値買いを試みて大損しています。底をつけてトレンドが、上昇トレンドに転換したことをチャートで確認してから、業績も踏まえて、買いを検討します。あくまで、自分のストライクゾーンにボールが来た場合に、自分自身の売買ルールに沿う形で買い出動するという考えです。すでに、いくつかの銘柄を買っていますが、それまでは、有望な個別株の調査を粛々と進めています。

 優待利回りが高く、かつ、家族が好きな外食系の優待株や福利厚生系の優待株は今回の急落で魅力が増したものもあると思いますね。

コロナ後の市場、どう読む?どう動く?

Q:コロナ・ショックがここまで長引くと思っていましたか?

A:最低1年はかかると覚悟

 いち早く、保有株の売り抜けを始めた2月25日当初は予想していませんでした。今後、新型コロナウイルスの世界的な感染収束の見通しが立つのは、少なくとも夏まではかかると考えています。また、個別銘柄の企業業績も含めて、実体経済への影響は、最低1年くらいは残るのではないでしょうか。ただし、株式市場は、先、先を読むものなので、景気の底よりも、株価の底は3~6カ月程度早くなることは意識しています。

Q:今回の急落で学んだことはありますか?

A:売り逃げられない、流動性リスクを痛感

 流動性リスクの大きさを痛感しました。株の専門用語に「流動性ディスカウント」という言葉があるんですが、その現実的な意味を改めて学びました。買い手や売り手が少なく、流動性があまりない銘柄に、大きな資金を投入すると、今回のような急落で売り逃げられないリスクがある、ということです。

 とはいえ、そのリスクを回避するために日経平均先物売りをフル活用できることも、今回の急落で得た、貴重な教訓になりました。

Q:依然、先行き不透明な状況ですが、新たに買うタイミングはいつでしょう?

A:上昇トレンド入りサインが出る日以降

 全体相場の底入れシグナルとしては、成長株投資の理論家であるウィリアム・オニールが提唱している「フォロースルー日の出現」を待つのが重要だと思います。フォロースルー日とは、ある上昇日から始まって、4日目~7日目に、主要株価指数が前日より出来高を増加させて大幅上昇する日のことをいい、上昇トレンドへの転換を示唆します。個別株の投資タイミングは、この「フォロースルー日」などを参考にしたうえで、上昇トレンド入りサインが出た日以降になります。

 もう一つ、底入れシグナルとして目安にできるのが、チャートの形状が、取っ手のついたカップの形になって上昇し始める「カップウィズハンドルパターン」などのいくつかのテクニカルなパターンです。当然、業績面などファンダメンタルズも加味するので、適切な買いのタイミングは銘柄によって大きく異なります。

Q:まだまだコロナ・ショックが続きそうですが、どんな心構えで臨みますか?

A:安易な底値拾いや逆張りは命取り。慎重に大化け株を探す時期!

 まずは暴落で株価が安くなったからといって、決して、底値拾いをしないことですね。安易な逆張り戦略をとるのは危険だと思います。やはり、相場全体の上昇サインが出るまで、辛抱強く待ったほうがいい。かつ、初心者の方は、日経ボラティリティインデックスが25程度以下まで下がるのを待ってもいいと思います。待っている間に、有望な銘柄を探しておき、常に準備をしておくことも大切です。一つだけ確かなのは、次の大化け株は、このような下落相場の中で芽吹く、ということです。焦って底値買いを狙うのではなく、先回りして、どの株が大化けしそうかをじっくり見極める。今はそんな時期だと思います。

Q:コロナ後、どうなると読んでいますか?

A:バブル再発の可能性もあり。期待して待ちます!

 コロナ問題の終息が見えた、または、見えそうな段階で、相場は底を打ち、反転するのではないかと思います。世界の中央銀行が一斉にゼロ(およびマイナス)まで金利を引き下げ、大規模な量的緩和も行っているので、バブル発生の余地は十分にあると考えています。非常に楽しみです。

投資が怖くなった、初心者投資家へのアドバイス!

Q:今回の波乱相場で動揺している投資初心者に一言ください。

A:何があっても生き残れ!あきらめずに準備を!

 まずは、自分の売買ルールをしっかりと持つこと。ご自身の売買ルールがなければ、感情に任せた売買になってしまい、それはほぼ負けにつながります。特に、今回のような急落相場では致命傷を負いかねません。株式投資で最も重要なことは「生き残ること」。損切りは基本であり、投資家の登竜門です。負けを少なくすることができるようになってから、次は、どうやってもうけるかを考えることになります。

 株式投資で実績を残している「億り人」と呼ばれる投資家は、このような下落相場を乗り越えて、大きなもうけを手にしています。誰しもが大失敗した経験を元に、成功を手にしているのです。今回の暴落で大損をして、気持ちも落ち込んでいる方も多いとは思いますが、兼業投資家であれば、いくらでもやり直しがききます。投資の元手は、また作ればいいのです。あきらめたら、そこでおしまい。あきらめずに投資を続け、経験値を積み上げ、楽しんで実践できる人が、将来の成功を手にすることができます。

 下落相場のあとには、上昇相場が待っています。このサイクルは繰り返します。今のうちに投資力を磨き、あきらめずに準備していた投資家だけが、いつか来るであろう上昇相場でもうけることができます。まだ投資をはじめていない方には、「株式投資、いつ始めるの? 今でしょ!」という絶好のタイミングだと思っています(笑)。

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