円高が、日本株にとってさらなる下押し材料に
米金利の急低下を受け、為替市場で、ドル安(円高)が進んでいることが、日本株にとって追加の悪材料となっています。3月7日には、1ドル105.36円まで円高が進んでいます。
私は、これまでのレポートで、日米長期金利差2%を前提に、ドル/円のフェアバリューは1ドル110円と書いてきました。米インフレ率・米長期金利が、長期的に2%を維持することを前提としていました。
ところが足元、米長期金利は1%割れ、日米長期金利差も1%を割れています。これが一時的ならば、問題ありません。もし米長期金利の1%割れが定着するならば、ドル/円のフェアバリューは、100~103円に変更しなければなりません。さらなる円高が進むリスクがあることになります。
私は、新型コロナウイルスによる世界景気の悪化は長い目で見て、一時的と考えています。ただし、米長期金利の低下は、構造的かもしれません。つまり、新型コロナウイルス不安が去っても、米長期金利は2%まで戻らないかもしれないと考え始めています。米長期金利・為替の見通しについては、明日、詳しい分析をお届けします。
日経平均はどこまで下がるか?
私は、日本株は配当利回りや買収価値から割安で、長期投資で良い「買い場」と判断しています。ただし、新型コロナショックが長引けば、短期的にさらなる下値もあり得ます。
日経平均は、どこまで下がるでしょうか?以下2つのレポートをご参照ください。
▼著者おすすめのバックナンバー
2020年3月3日:日経平均どこまで下がる?(下) 下値リスク残るが長期投資で「買い場」と判断
2020年3月2日:日経平均どこまで下がる?(上)リーマン危機、同時多発テロ後に似てきた新型コロナショック