株式投資において投資する企業の業種を把握しておくことは大変重要となります。
 業種によって特徴は異なるからです。

 今回は株式投資における業種別の特徴について紹介します。
 業種別の特徴を知ることで、その時々でリターンが期待できる業種に投資することが可能となります。

 株式投資でしっかりと利益を得たい方はぜひ参考にしてください。

株式投資での業種別投資法とは?

 業種別の特徴を株式投資に利用する方法が業種別投資法です。
 業種によっては、好況期に強い業種、不況期に強い業種などがあり、景気の波などの外部環境に応じて投資する業種を変えていくことで高いリターンを目指すことができます。

業種別の特徴

 業種別投資法を実践するには、業種別の特徴をしっかりと把握しておく必要があります。
 ここでは業種別の特徴について紹介します。

食品

 食品は底堅い需要が特徴です。
 景気がどれだけ悪くとも、人間が生きていく以上食品は必要ですので、いつでも一定の需要が見込めます。

 景気に左右されにくい業種であり、安定しているが故にPERは市場平均より高い傾向があります。

エネルギー・資源

 エネルギー・資源関連は景気の影響を強く受けます。
 景気が良いほど資源価格などは上昇しますが、景気が悪くなれば様々な生産が落ち込み資源の需要が減りますので資源価格も下落してしまいます。

素材・科学

 素材・科学は景気敏感株です。
 売上は景気に影響を強く受け、景気が良ければ業績も上昇しますが、景気が悪化すれば赤字になることも珍しくありません。
 株価変動も大きく、その不安定さからPERは市場平均より低い傾向があります。

医薬品

 医薬品は安定性の高い業種です。
 景気が悪くとも医療分野は大きく落ち込むことはありません。
 また、世界的には人口が増え続けていますので医療分野の需要も底堅いと思われます。

 新薬メーカーなどは1つの薬の開発が成功するか否かで業績が激変しますので、株価の値動きも荒く期待感からPERも高くなることが多いです。

自動車・輸送機

 自動車・輸送機は景気敏感株であり、外需株の代表的な業種です。
 車は高額ですので景気が悪いと販売は落ち込みやすく、また国外での販売が多くを占めますので海外の需要・景気の影響が強いという特徴があります。

 業績の不安定さからPERは市場平均より低いことが一般的です。

鉄鋼・非鉄

 鉄鋼・非鉄は製品の材料として使われますので、製品自体の売上、需要に大きく左右される業種です。
 景気敏感株であり、PERは市場平均より低くなっています。

機械

 機械は景気敏感株であり、売上は景気の影響を大きく受けます。
 一部のメーカーでは特に中国の影響が強くなってきており、中国関連株として扱われることもあります。

電気・精密

 電気・精密は景気敏感株です。
 以前は日本が世界的にも強い業種でしたが、外国企業との競争も激しくなってきており、外需の影響も受けます。

情報通信サービスその他

 携帯電話などの通信サービスは需要が底堅くまた、国内企業は国内を主戦場としており内需株の一つです。
 収益が安定していることから配当利回りが高い銘柄も多く高配当銘柄としても知られています。

電力・ガス

 電力・ガスはインフラ関連株とも言われ、不況期でも需要があるディフェンシブ銘柄です。
 電気の無い生活は考えられず、常に一定以上の需要を見込むことができます。
 また、電力分野は規模の大きさから簡単に参入することができないという点もあります。

運輸・物流

 鉄道などの分野はインフラと見なされており、底堅い需要があります。
 内需株の代表的な業種であり、為替の影響などは少ないです。

商社・卸売

 商社は景気敏感株かつ外需株であり、景気の影響を強く受けます。また総合商社のように資源を扱っている場合は、資源価格の影響も強いです。PERは長期的に低く業績からすれば割安状態となっていることが多く見られます。

小売

 小売は代表的な内需株です。商品を輸入していることも多いため、為替の影響を受けますが外需株と異なり円高により業績が上振れます。

銀行

 銀行は景気、金利に強く影響されます。低金利状態では収益をあげることが難しく、金利低下局面では業績も落ち込むことが多いです。PERは市場平均よりかなり低い傾向があります。

金融(除く銀行)

 証券会社など銀行以外の金融業も景気の影響が強い業種です。
 投資が活発に行われるほど金融銘柄の業績も良くなります。

不動産

 不動産は内需株です。
 外国の動向や為替の影響は少ない業種になります。
 ただし、高額な取引となることが一般的ですので不況期では販売が落ち込み、更に不動産自体の価値も下がると業績が圧迫されます。