暗号資産の取引ルールと交換所の整備が進む

 今年に入って、国の暗号資産に対する姿勢が大きく変わった。改正資金決済法と改正金融商品取引法の成立(2020年4月施行予定)により、仮想通貨という呼び名を「暗号資産」に改め、円やドルなどの法定通貨との誤認を防ぐ一方、交換や管理業務や取引に関するルールを決めて、金融商品としての位置づけをはっきりさせる。

 暗号資産の交換所(取引所)の整備も始まっている。

「ここ数年で金融庁の規制が強化され、2017年4月から暗号資産交換業の登録が必要となりました。登録業者は20社(2019年9月6日現在)に達しています。利用者の立場で言うと、銀行や証券会社と同じように金融庁の目が届くようになったので、以前よりは暗号資産を安心して取引できる環境が整いつつあるのではないでしょうか」(橘)

 利用者の暗号資産の受け止め方も変わりつつある。

「ビットコインが話題になり始めた頃は、バーチャルな世界で、新しい技術を用いた通貨を使ってモノを買ったり、やりとりをしたりといったゲーム的な要素が強かった。今は、モノを買うというよりは、暗号資産の価値が上がることを期待して取引をしている人が増えています。まさに暗号資産を投資対象として扱い出しているというのが今の状況です」