適切な損切りが失敗を避けるためには必要不可欠

 上述の点から、ある1つの事実が見えてきます。それは、「損切りさえ適切に行えば、2つの失敗パターンのいずれも回避できる」という点です。

 例えば、上昇トレンド転換直後(株価が25日移動平均線を超えた直後)に新規買いをすれば、もしその後株価が下落しても25日移動平均線を再び割り込んだ時点で損切りを行えばよいのです。

 また、多少高値で買ってしまったり、下降トレンド途中で買ってしまった場合でも、例えば「買値から10%値下がりで損切り」としておけば、損失を最小限にとどめることができます。

 そして、損切りをすれば、塩漬け株が生じる余地はありません。

 このように、損切りさえ適切に行うだけで大きな失敗はほぼ100%防げる、そして買いのタイミングに気をつける(できるだけ上昇トレンド入り直後に買い、下降トレンドの間は買わない)だけで、さらに損失を小さくすることができるのです。

 多くの個人投資家が大きな失敗をしてしまうのは、大きな失敗をしないために何が必要かをよく理解していない、もしくは理解していても実行に移せないからです。

 大きな失敗さえ避ければ、株式市場は私たち個人投資家に多くの利益をもたらしてくれる素晴らしい場所となります。