塩漬け株はファンダメンタルへの過信が原因?
もう1つの失敗パターンである「塩漬けになる」という点は、「損切りができない」ケースと「損切りをしない(損切りを必要と思わない)」ケースに分類できます。
まず、「損切りができない」ケースですが、こればかりは損切りができるようになるようにトレーニングを積んでいただくほかありません。損切りができなければ、いつまでも塩漬け株が発生する懸念がつきまといます。
もう1つの「損切りをしない(損切りを必要と思わない)」ケースは、ファンダメンタル分析への過信が原因にあると思われます。
テクニカル分析を用いずファンダメンタル分析のみを使った場合、ファンダメンタルの変化(業績の悪化など)が生じたときに売却を検討することが一般的です。
そのため、株価が買値から30%、40%も下落しても、ファンダメンタルに目立った変化が確認できなければ、そのまま持ち続けることになるのです。
ファンダメンタル分析では、高成長が期待できるとか、株価が割安である、という理由から銘柄選定がなされるのが一般的です。そこには、「株価のトレンドがどうなっているか」、言い換えれば「プロを含めた他の投資家の動向がどうなっているか」という要素が含まれていません。
株式投資をある程度経験すれば分かりますが、将来の高成長が期待できたり、株価が割安に放置されていたとしても、必ずしも株価は上昇するとは限らないのです。
ファンダメンタルでみて明らかに割安と判断した銘柄の株価がそこからさらに半値以下に値下がりすることなど日常茶飯事です。
ファンダメンタル分析の精度を上げれば、確かに塩漬け株を少なくすることができるでしょう。それでも、ファンダメンタル分析は絶対ではありませんし、個人投資家が行うファンダメンタル分析の精度はプロに比べどうしても低くなりがちです。
そこで、個人投資家が行う不完全なファンダメンタル分析を補うために、株価チャートや買い値からの株価下落率などを基準とした損切りルールの設定と実行がどうしても必要です。