地域ETFとは?

 また個別国に投資するETFではないのですが、世界の特定の地域に投資するETFもあります。

表2:地域ETF

銘柄名 コード 費用比率
iシェアーズMSCI ACWI ETF ACWI 0.31%
iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF EEM 0.67%
iシェアーズMSCI EAFE ETF EFA 0.31%
iシェアーズMSCIパシフィック<除く日本>ETF EPP 0.48%
iシェアーズMSCIフロンティア100 ETF FM 0.81%
iシェアーズ・ヨーロッパETF IEV 0.59%
iシェアーズ・ラテンアメリカ40 ETF ILF 0.48%
出所:筆者作成

 これらの地域ETFは、実は利用価値が高いです。なぜなら一つのETFで複数の国々や地域に投資できるものもあり、幾つものETFを買い揃える必要がなくなるからです。

 たとえばiシェアーズMSCI ACWI ETFは、これ一つで世界の全ての主要市場に投資することができる、極めて便利なETFです。

図:iシェアーズACWI ETF組み入れ国(2019年8月28日、ブラックロック)

 単位:%

 一方、iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETFもたいへんポピュラーなETFです。こちらは、これ一つで世界の新興国市場全てに投資できるETFです。

 なお、読者の皆さんは海外ETFの他に日本株にも投資されている場合が多いと思います。すると海外ETFの中に日本が含まれていることで、日本への投資が重複してしまう場合がある点に留意する必要があります。

 一般論として、世界の幅広い地域に投資するETFはボラティリティ(価格のブレのこと)が小さいです。これとは対照的にカントリーETF、とりわけ小さい新興国に投資するETFは極めて値動きが荒い点に注意すべきです。

 さらに新興国のETFは一般に費用比率が高いです。この点にも注意すべきだと思います。

第7章「ETFとアセット・アロケーション」はこちら