──ほんとにお試しだったんですね。それから勉強を始めた?

 1日か2日で、ほんのわずかとはいえ増やすことができたわけで、本格的に挑戦してみる価値があると感じました。ただ、素人がちょこっと手を出して稼げるほど甘い世界ではないのはわかっていました。ですからまずは勉強しようと思ったんです。

──どんな勉強を?

 投資関係の本を読みあさりました。当時、といっても2年か3年かけてですが、100冊くらい読んだと思います。株式投資に関する本はもとより、決算書や財務諸表の読み方といった実用書もかなり読みました。

──そのとき勉強したことが後にファイナンシャルプランナーを目指すときに生きたわけですね。

 はい、それは間違いありません。その後も投資できるお金を増やそうと、マネーに関する本もかなり読みました。

──その頃、読んだ本で印象に残っているものはありますか。

 いろいろありますが、1冊と言われたら米国のファイナンスの専門家が書いた『株式投資の新しい考え方―行動ファイナンスを超えて』です。僕は割安な小型株、地味な小型株に投資するというやり方で利益を出してきたのですが、そのスタイルにたどり着いたのはこの本の影響が大きいんです。

 ただし、かなりマニアックな内容で、決して読みやすいとはいえませんから、投資初心者にはあまりすすめられません。ある程度、勉強して投資のイロハがわかってきたらぜひ読んでほしいと思います。

 

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──スターバックス コーヒー ジャパンで利益を得た後も勉強しながら株を買っていたのですか。

 はい、お金に余裕ができたときに買っていました。

──成績はどうでしたか。

 最初は悪くなかったのですが、始めて1年半後にはライブドアショック、4年後にリーマンショックが訪れ、ご多分に漏れず、けっこうな損失を出しました。それまでつぎ込んだ分、つまり元本の半分ほどに減ってしまいました。

──こつこつ増やしてきたのに半分になってしまうと、ダメージが大きいですよね。

 そうですね。どんどん減っていくのでダメージは大きかったですね。ただし、投資をやめようとは思いませんでした。このまま何年もどん底状態が続くなんてあり得ないだろう、そのうち回復するだろうと思っていました。

──その確信があった?

 確信は持てなかったです。だから、お願いだから回復してくれという感じではありました(笑)。