世界景気減速を織り込んだ世界株安は2018年10月から既に始まっている
日経平均は、2018年10月以降、下げ足を速めています。NYダウ平均株価や独DAX株価指数も下げ足を速め、世界株安の様相を呈しています。
日本・米国・ドイツ・中国の株価指数推移:2017年12月末~2018年12月21日
経験則では、株は、景気循環よりも半年から1年先に動きます。ということは、今の日経平均は、2019年の半ばから終わりごろの景気を織り込んで動いていると、考えられます。
2018年10月から世界株安が始まっていますが、それは、2019年半ばから始まる世界景気悪化を先んじて織り込み始めているとも考えられます。
日経平均株価と、日本の景気循環:1999年1月~2018年12月(21日まで)
上のグラフをご覧いただくと分かる通り、ITバブル崩壊による景気後退(2000年11月~2002年1月)、リーマンショック前後の景気後退(2008年2月~2009年3月)では、景気がピークアウトする半年~1年前に、日経平均はピークアウトしています。
上のグラフで、さらに注目していただきたいのは、赤で「景気停滞」と書いたところです。3カ所あります。2004年7~12月の景気停滞(「景気踊り場」と呼ばれる)、2014年4月~9月の景気停滞(消費税引き上げ後の停滞)と、2015年10月~2016年3月の景気停滞(資源安ショック)です。3回の景気停滞期でも、日経平均は数カ月早くピークアウトしています。当時は、「いよいよ景気後退期に向かう」と不安が広がっていました。ところが、後から振り返れば、景気後退に至らず、景気は盛り返しました。日経平均は、景気が踊り場を脱け出したところから上昇に転じています。
さて、2019年の世界景気は、「停滞」するのでしょうか? あるいは、「後退」まであるのでしょうか? 2019年1~3月の世界景気の状況を見ながら、考える必要があります。