配当利回りをまずは確認

 配当金目的で銘柄を選ぶ際に重要なのが、「その銘柄に投資したらどのくらいの配当金を得ることができるのか」です。
 それを表す指標が「配当利回り」です。

 配当利回りは、下記の計算式で求めることができます。なお通常、配当利回りはすでに終わった期の実績ではなく、来期の予想配当金を用いて計算されます。

配当利回り(%)=1株当たり(予想)配当金÷株価×100

 もし、現在の株価が1,000円、1株当たりの予想配当金が30円だとすると、配当利回りは30円÷1,000円×100=3%と計算されます。

 税金の影響を無視して考えれば、配当利回り3%の株を10年間持ち続ければ、投資金額に対する配当金は、合計で30%となります。

 これは、10年間で株価が仮に30%下落したとしても、配当金により元が取れる計算です。
 33年間保有し続ければ、株価がゼロになっても配当金により元本がほぼ回収できることになります。
 これに株主優待が加われば、より有利な投資対象となります。

 

株価が大きく値下がりしない可能性が高い銘柄を選ぶ

 損切りができないのならば、株価下落による損失を、配当金によりカバーできる銘柄をはじめから選んでおく方がよいと思います。
 具体的には、配当金を毎期しっかりと出しており、かつ株価が大きく値下がりしにくい銘柄を選ぶとよいでしょう。

 具体的には、不況であっても業績が大きく落ち込まない、いわゆる「ディフェンシブ株」が挙げられます。食品株、医薬品株、電鉄株、ガス株のようなものです。
 例えば過去の株価の値動き、特に2008年のリーマンショック前後の動きを確認し、大きく株価が動いていないものを投資対象とするのが1つの方法です。

 もう1つは、業績が伸びていて、かつ配当金も増加傾向にある銘柄です。例えば現時点で配当利回りが2%であっても、年々配当金が増額されていて、10年後には配当利回りが4%になりそうだ、という銘柄があれば、受け取ることができる配当金自体の額も増えますし、配当利回りのアップにより株価を下支えする効果が期待できます。

 損切りができない個人投資家の方におすすめできる、配当金を目的とした株式投資や銘柄選び。ただし、いくつか注意したい点があります。それについては次回のコラムにて解説したいと思います。