株式投資で大きく負けないためには、損切りで損失拡大を食い止める必要があります。でも「損切り不要」の声も少なくありません。一体どちらが正しいのでしょうか?
7月前半の急落、しっかり乗り越えられましたか?
日本株は7月5日を底値に、反発局面に入っています。まだまだ本格上昇には程遠いものの、強い銘柄はすでに高値更新を続けています。
一方、弱い銘柄は7月上旬の株価下落で年初来安値を更新するばかりか、その後の反発力も弱いままです。下降トレンドにとどまっているものも少なくありません。
皆さんは、7月前半までの株価下落局面をしっかり乗り越えられましたか? もちろん、その間株価が大きく値下がりしているわけですから、プラスで乗り切ることなど無理な話です。重要なのは、できるだけ小さな損失で乗り切ることができたかどうかです。
小さな損失で乗り切るためには、適切なタイミングで損切りを実行する必要があります。それにより、損切りした後に株価がいくら下落しても、ダメージを回避することができます。
でも、もし7月前半までの株価下落を、保有株を売却せずずっと持ち続けて耐え忍んだ場合、かなりの含み損になってしまっているのではないでしょうか?
「損切り不要」論者の言い分はこうだ
適切なタイミング、筆者であれば25日移動平均線を割り込んだときに損切りを実行することで、必要最小限の損失に収めることができます。
でも、ちまたには「損切りは不要だ」と唱える人も少なくありません。筆者は絶対に損切りが必要だと考えていますし自身でも実行しています。また、筆者の周りで成功している個人投資家の中に、損切りを行っていない人は誰一人としていません。
今回は、「損切り不要論」の論拠を確認し、それに対して問題点を指摘することで、損切りの必要性を説いていきたいと思います。
「損切り不要論」の最大の論拠は、「保有を続けていれば株価は戻る」というものです。確かに30年前にバブルが崩壊するまでは、どんな銘柄も右肩上がりに上昇していましたからあながち間違ってはいませんでした。
しかし、バブルが崩壊してそれ以降はその考え方は成立しなくなりました。現に多くの銘柄が、バブル高値よりはるかに低い株価で今でも低迷したままです。さらにはアベノミクス相場が始まった2013年以降は株価の二極化が進み、株価が全く上昇しない、または、下降している銘柄もあります。