ITサービス産業が持続的に成長する時代に

 21世紀の成長産業筆頭として、ITサービス産業があります。Eコマース、ネット金融、QRコード決済、ネット広告、ゲーム、音楽配信、人材紹介、カーシェアリング、旅行手配サービスなど、さまざまな成長分野があります。これに伴い、ITインフラの構築・高度化が喫緊の課題となっています。

 ITインフラ構築は、民間の大企業から先に進み、中小企業や官公庁は相対的に遅れていました。ところが2016年から、中小企業や官公庁でもITインフラ整備が待ったなしとなりました。起爆剤となったのは、2016年から導入されたマイナンバー制度。ITを使った業務効率化が、官公庁や中小企業にも広がってきています。

 一方、ネットを使った犯罪が巧妙化する問題もあります。サイバーセキュリティ対策を強化するニーズも、急速に拡大しています。

最高益更新が続くシステムインテグレーター大手

 こうした環境変化を受け、ITインフラ構築を手がけるSI(システムインテグレーター)や、サイバーセキュリティを提供する大手には、最高益を更新する企業が増えています。

システムインテグレーター、情報セキュリティソフト大手の今期連結営業利益

【金額単位:億円】
コード 銘柄名 連結
営業利益
増益率 営業
最高益
4307 野村総合研究所 700 7.5% 4期連続
4704 トレンドマイクロ 407 11.7% 3期連続
4684 オービック 350 8.3% 25期連続
9613 NTTデータ 1,420 15.0% 4期連続
出所:各社決算短信、連結営業利益は会社予想。トレンドマイクロの営業利益は2018年12月期予想、その他は2019年3月期予想。

 野村総合研究所(4307)は、野村系SIで、コンサル・システム開発・運用を一貫して提供できることが特色です。金融・小売り業などに強みを持ちます。

 トレンドマイクロ(4704)は、個人・法人向けの情報セキュリティソフトで国内トップです。近年、法人向けの契約が伸びています。

 オービック(4684)は、独立系SIで、主力のERPが安定成長しています。中小・中堅企業向けで強みを持ちます。

 NTTデータ(9613)は、SI専業で国内トップです。金融や、官公庁向けで強みを持ちます。M&A巧者(企業の買収・合併)で、積極的なM&Aが業績拡大に貢献しています。