長期投資に向かない商品は、短期投資にも向かない
――投資信託はどれも恐ろしいのですか?
山崎:「つみたてNISA」に採用されている投信は、金融庁が長期投資向きかどうかという視点で絞り込んでいるので、比較的失敗しにくいと考えていいでしょうね。
どの投信も購入時手数料がかからず、低コストで保有できます。ここではっきり言っておくと、「つみたてNISA」から除外された商品は短期投資にも向きません。長期投資に向かない商品が短期投資に向くわけがない。
――水瀬さんは投資で失敗した経験はありますか。
水瀬:もちろんありますよ。私は今でこそインデックス投資家ですが、以前はデイトレーダーとして個別株投資をやっていました。
当時は相場に影響を与えそうなニュースや株価の値動きが気になって仕方がなかった。ケータイでニュースをチェックして、トイレに駆け込んで売買をして席に戻る。そんな繰り返しのせいで、仕事でもトレードでもミスが出るようになった。これは自分には合わない投資スタイルだということに気がついて、手間のかからない積立投資、インデックス投資に切り替えました。
山崎:何かを気にしつつ仕事をする、生活をするというのは疲れますからね。だから、買ったらすべてを忘れて放っておけ、というアドバイスをする方もいます。でも、これも違う。日々の株価を見ていないと何年たっても「リスクとは何か」が理解できません。
「株価を見て、何もしない」というのが正しい行動で、その積み重ねが長期投資です。