新年恒例の「今年の株価予想」は一切参考にしなくてOK

 新春は、新聞や雑誌などで、大手企業の経営者やアナリスト、経済評論家、FPといった投資のプロによる「2018年の株価・為替予想」を目にする機会が多くあります。
 でも、これらは一切参考にしなくても大丈夫です。なぜならほとんど当たらないですし、予想をもとに投資方針を決めるのは極めて危険だからです。

 たとえば、大手企業の経営者の2018年の日経平均株価の予想は、高値が2万5,000円前後、安値が2万円前後となっています。足元の日経平均株価が2万2,000円台ですから、今の株価から上にも下にも10%前後の変動を予想していることになります。

 これが何を意味しているかといえば、経営者や投資のプロの多くは、2018年は株価が大きく変動するような出来事は想定していないということです。上下10%前後の株価変動は頻繁におきますから、新聞・雑誌に載っている2018年の予想は「平時の予想」に過ぎません。

 

「平時の予想」を鵜呑みにするのは非常に危険

 しかし、ここまで急騰、急落を何度も経験してきた筆者からすれば、この「平時の予想」を鵜呑みにするのは非常に危険です。
 株価は上にも下にも行き過ぎるものです。日経平均株価が2万円を大きく下回ることも、2万5,000円を大きく上回ることも十分にあり得ます。そのときに、この「平時の予想」を信じると、大きな損失を被ってしまったり、大きな利益を逸してしまいます。

 特に危険なのが、金融危機などの発生により、予想より株価が大きく下落するケースです。
 たとえばリーマンショックのときは、金融危機をきっかけとして、それまで好調だった景気が一気に悪化するなど実体経済までに大きな悪影響が及びました。


 株価が大きく下がったとき、「実体経済はまだまだ好調だから」とか、「企業業績は問題ないから」という理由で売らずに保有を続けているのはとても危険。株価急落を要因として企業業績も悪化、株価が大きく下落して取り返しのつかない結果になりかねないからです。

 

2018年もトレンドに逆らわず自然体で!

 ではどうすれば急騰、急落があったとしても乗り切ることができるのでしょうか? それはとても簡単です。株価がどうなるかを予想するのではなく、「トレンドに従って自然体で投資行動をすればよい」のです。


 筆者は、株価のトレンドは株価が25日移動平均線の上にあるか、下にあるかで判断しています。株価が上昇トレンドであれば株を買って保有を続け、下降トレンドの間は保有株を売却して新規投資を控える、たったこれだけです。

 仮に株価が想定よりも大きく上昇しバブル気味に株価が推移したとしても、移動平均線の上に株価がある限り保有を続ければ利益を大きく伸ばすことができます。


逆に、株価が想定よりも大きく下落したとしても、移動平均線を株価が割り込んだら速やかに保有株を売却することで、利益の減少ないし損失を最小限に抑えることができます。

 要は、将来の株価は予想できないのですから、どう転んでも良いようなルールを決め、それに従って行動することがポイントです。

 とはいえ、足元の企業業績は絶好調であることは間違いありません。2018年も株価が大幅高となり、私たちも大きな利益を得ることができれば言うことなしです。そのためには常に株価のトレンドに従って投資行動をしておくのがおおいに有用です。
 

 

 

それでは、2018年も一緒に頑張ってまいりましょう!

足立 武志