いよいよ年が明け、2018年の相場がスタートしました。2017年の日本株を振り返るとともに、2018年の投資方針を考えていきたいと思います。ポイントは「自然体」です。

2017年の日経平均株価は約19%の上昇に

 明けましておめでとうございます。2018年も、個人投資家の皆様へ有用かつ実践的な知識・情報の提供に努めてまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
 今回は、2018年に入り1回目のコラムということで、2017年の株式市場の振り返りと2018年の投資方針を考えていきたいと思います。

 2017年の日本株を一言でいえば、「手掛ける銘柄によって得られる利益が大きく異なった1年」でした。

 2016年末の日経平均株価が1万9,114円37銭、2017年末の日経平均株価が2万2,764円94銭。2017年の1年間で日経平均株価は3,650円57銭、およそ19%上昇しました。
 そしてこの上昇の大部分は下半期、特に9月以降に生じたものです。

 一方、個別銘柄の動きをみると銘柄ごとにまちまちでした。株価が順調に上昇を続けたものも数多くある半面、株価がほとんど上昇しなかったものや逆に株価が下がってしまったものも少なくありません。

 個別銘柄に投資するからには、日経平均株価よりも良い成績を上げなければ意味がありません。日経平均株価に連動したETF(上場投資信託)に投資したほうが投資成績がよいならば、わざわざ個別銘柄に投資する必要がなくなってしまうからです。

 したがって、2017年の1年間でプラス20%以上の運用成績が達成できていればひとまず合格、達成できなければその原因を追究し、2018年以降は改善をしていく必要があります。

運用成績が伸びなかった原因は、3つ

 運用成績があまり伸びなかったとしたら、その原因は大きく次の3点に集約されるはずです。

(1)投資する銘柄が良くなかった

 株価が上昇した個別銘柄の多くは、増収増益が続いている成長株や、ここ1、2年で
  業績が急速に伸びている銘柄でした。
それ以外の銘柄は、たとえ株価が割安に見えたとしても上昇しないものが目立ちました。
 中長期的に上昇トレンドが続く成長株や好業績株にしっかり投資することができたか
  がポイントです。

(2)買いのタイミングが良くなかった

 いくら業績が良い銘柄でも、高値づかみをしてしまうと、利益を得ることが難しくなり
  ます。筆者は、25日移動平均線からのプラスかい離が10%を超えている銘柄の新規買
  いは行わないようにしています。

(3)売りのタイミングが良くなかった

 せっかく良い銘柄を選んで投資したにもかかわらず、株価が大きく上昇する途中にわずかの利益で売ってしまう個人投資家が非常に多いです。上昇トレンドが続く限り保有をすることで、利益を伸ばすことができます。
 また、損切りも売りの一種です。投資する銘柄やタイミングが誤っていたとしても損切りにより損失を最小限に抑えることができます。しっかりと実行しないと含み損が膨らんでしまいますから、損切りのルールを設定し、それを厳守することが必要です。