目論見書とは、有価証券の募集あるいは売出しにあたって、その取得の申込を勧誘する際等に投資家に交付する、当該有価証券の発行者や発行する有価証券などの内容を説明した文書です。販売会社は、投資信託を販売するためには、投資家に対してあらかじめまたは同時に目論見書を交付しなければなりません。

 

目論見書は最も大切な情報源

 投資信託の目論見書には、各投資信託の特徴、仕組み、投資目的、投資対象、運用方針、販売手数料や信託報酬などのコストに関する情報、運用体制、信託約款の内容など、投資信託に関する重要な情報が記載されています。したがって、目論見書は、投資家がファンドについての投資判断を行う上で最も重要な情報源と言えます。
運用会社によって作成された目論見書は、証券会社や銀行などの販売会社から投資信託の購入者に交付されます。目論見書は、販売会社や運用会社のホームページからダウンロードすることもできます。投資信託を購入しようとする投資家は、まず目論見書を入手して、これをきちんと理解することが大切です。また、不明な点がある場合には、運用会社や販売会社に問い合わせましょう。
また、目論見書は定期的に改訂されます。新たにファンドを購入する時だけでなく、すでにファンドを保有している方も、保有しているファンドの最新の目論見書を入手して、目を通すといいでしょう。

 

目論見書でチェックする主な項目

 目論見書の見方としては、まず巻頭の「ファンドの概要」に記載されている項目を理解することが必要です。その上で、その後に続く詳細情報を読むといいでしょう。

(1)ファンドの特徴

ファンドの名称、目的、基本的性格、投資方針、主な投資対象、投資地域、ベンチマーク、資産配分の方法や銘柄選定までの投資プロセス、収益分配方針などを確認しましょう。

(2)主な価格変動リスクと留意点

投資対象の制限や投資信託の時価である基準価額がどのような要因によって影響を受けるか、為替リスク、信用リスク、価格変動リスクなど、ファンドのリスクを購入する前に理解しておくことが大切です。

(3)ファンドのコスト

販売手数料、信託報酬、信託財産留保額など、ファンドにかかるコストを把握しましょう。この他にも、購入時や分配時、償還時にかかる税金についても理解しておく必要があります。

(4)ファンドの運用状況

直近の決算時点での運用状況や過去の運用実績が記載されています(新しく設定されるファンドを除く)。基準価額の推移やベンチマークとファンドの運用実績の比較、純資産総額の推移、組入銘柄などを知っておきましょう。