今日の為替ウォーキング

今日の一言

投資で成功するには、人と反対のことをするのではなく、ちょっとだけ人よりも先に動くことである

Wake Me Up When September Ends

 FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーの多くが利下げに後ろ向きの考えを示していたのは、わずか3月前のことである。6月のFOMC会合後に公表した経済見通し(SEP、Summary of Economic Projections)では、メンバーの過半数が今年の利下げ見通しを1回(以下)と予想していた。

 パウエルFRB議長がその時心配していたのは、利下げが金融市場を急速に緩和状態に変え経済がオーバーヒートを引き起こすことで、インフレ率を2%まで低下させるチャンスを台無しにしてしまうことだった。そうしてFRBが利下げをためらっているうちに、米国の今年の失業率はわずか半年の間に3.7%から4.1%まで上昇した。リセッション時(景気後退期)以外でめったに起きないといわれるほどの急上昇である。

 マーケットが、ファンダメンタルズを無視した緩和状況に逆戻りするというのは杞憂だ。より急激でより大幅な利下げが必要になるリスクが高まるなかで、FRBは、利下げもっと早くに開始するべきだったという見方は少なくない。

 2021年から2022年にかけて米国でインフレが上昇し始めたとき、FRBは「インフレは一過性にすぎない」と、痛恨の判断ミスを犯した。「早すぎる利上げは健全なインフレの芽を摘む」などという理屈でインフレが上昇するなかでも利上げすることに抵抗した。その結果、米国のインフレ率はギズモからアッという間に凶暴なグレムリンに変貌して、一時9%台まで暴走したのだ。

 9月のFOMC会合でFRBが異例の0.50%の大幅利下げを決断した理由は、3年前と同じ轍は踏まないという強い意志の表れだろう。

今週の注目経済指標

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今日の重要ブレークアウトレベル

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タイムゾーン 分析

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