金(ゴールド)上昇、原油高止まり継続か

 2010年ごろ以降、世界分断が深化していることは、世界のスマートフォンの販売台数、中国が保有する米国債残高や自由民主主義指数(世界平均)、中央銀行による金(ゴールド)の買い越し量の状況からも、明らかです。それに「SNS」と「ESG」が加担していることもまた、事実でしょう。

 こうした点を見落としたまま、証券、債券、通貨、コモディティ、金利、暗号資産など、「市場」とつくものを分析することなど、到底できません。1年に1回訪れる10月4日は、こうした長期視点の時代の流れを再確認するのに大変に適しています。

 投資の際は、近視眼的に目の前の値動きだけを追わず、世界全体において長期視点で起きている事象を意識する必要があります。長期視点の資産形成を行っている投資家だけでなく、短期視点でデイトレードを行っている投資家であっても、こうしたことを知っておくことは必要です。目の前の価格は、膨大な情報を織り込んでいるからです。

 以下は、金(ゴールド)と原油の長期視点の価格推移です。金(ゴールド)は歴史的高値を更新中、原油は長期視点で高止まりしています。

図:S&P500指数と金(ゴールド)の価格推移

出所:LBMAおよびQUICKのデータを基に筆者作成

図:WTI原油(月足平均)

出所:世界銀行のデータを基に筆者作成

 ともに、分析の際は長期視点の高水準であることを意識し、近視眼を取り除く必要があります。その上で短期的には、金(ゴールド)は代替通貨起因の上昇圧力が代替資産起因の下落圧力を打ち消して上昇、原油は増産観測起因の下落圧力と戦争起因の上昇圧力に挟まれて高止まり継続、というシナリオをイメージするのが自然であると、筆者はみています。

 日々、慌ただしく動く市場を見ていると、長期視点の世界情勢や各種市場の値位置に意識が行き渡らなくなる時があります。そのような時は、本レポートを読み返していただいたり、毎年の投資の日(10月4日)に思考をリセットしたりしてみるとよいでしょう。投資も人生も「長期視点」は、大変に重要だからです。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例

長期:

純金積立(当社ではクレジットカード決済で購入可能)

純金積立・スポット購入

投資信託(当社ではクレジットカード決済、楽天ポイントで購入可能。以下はNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)対応)

ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド
ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)

中期:

関連ETF(NISA対応)

SPDRゴールド・シェア(1326)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)

短期:

商品先物

国内商品先物
海外商品先物

CFD

金(ゴールド)、プラチナ、銀、パラジウム