卸電力価格値上げで利益見通しやや上方修正、強気見通し継続

現地コード 銘柄名 株価 情報種類
00836 華潤電力控股(チャイナリソーシス・パワー)  14.80 HKD
(06/07現在)
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中国政府が6月1日付で卸電力価格の引き上げを実施したのに伴い、BOCIは華潤電力控股の卸価格に関する想定値の見直しを実施した。同社は今のところ、自社の値上げ幅に関する詳細を発表していないが、国家発展改革委員会(NDRC)が発表した省・市・自治区別の値上げ率に基づいて想定値を見直した。BOCIによると、同社は本土系電力セクターの中で、電力価格値上げに対する敏感度が最も低く、1%の値上げに伴う2011年の予想純利益の上乗せ率は5%。BOCIは今回の値上げを受け、2011年、12年の利益見通しをそれぞれ0.7%引き上げ、新たに62億HKドル、70億HKドルに設定した。また、目標株価を据え置いた上で同社株価に対する強気見通しを継続し、本土系電力銘柄の中で同社を選好している。

BOCIはすでに同社の利益モデルに11年4-6月期の値上げを織り込んでいたため、今回の値上げによる利益見通しの上方修正は小幅にとどまった。同社にとっては大寧炭鉱の生産再開などに伴う11-12年の石炭生産量の伸びが、この先の株価押し上げ要因となる見込み。BOCIは石炭生産量が11年に1930万トン、12年には2450万トンに達するとみている。

また、メディア報道により、国家発展改革委員会(NDRC)が輸入石炭にかかる付加価値税(VAT)の引き下げに動く可能性が伝えられたことはプラス。これが実現すれば、発電施設の43%を沿海地域に置く同社の石炭調達コストの安定化につながるとみられ、BOCIは11年の単位当たり燃料コストの増加率が前年比6.7%の水準を維持すると予測している。

一方、BOCIは同社のリスク要因として、炭鉱の安全性に絡む採掘認可の遅れを挙げた。仮に遅延した場合、石炭生産量が予想を下回る可能性を指摘している。