韓国のゲーム開発大手と提携、新作ゲームの現地パブリッシャーに
現地コード | 銘柄名 | 株価 | 情報種類 |
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00700 | 騰訊控股(トウジンコウコ) |
219.00 HKD (05/17現在) |
株価 企業情報 チャート |
騰訊控股はこのほど、韓国のゲーム開発大手NCソフトのオンラインゲーム「ブレイドアンドソウル」のライセンス契約を締結したと発表。注目の新作ゲームを現地パブリッシャーとして国内展開する。BOCIは今回の提携について、新作に欠けていた同社のオンラインゲームポートフォリオに活気を与えるものとしてポジティブに判断。ただ、1タイトルの投入にとどまるため業績への効果はさほど期待できないとの見方も示している。
NCソフトは今年2月、人気オンラインゲーム「リネージュI&II」の現地パブリッシャーを盛大遊戯有限公司(Shanda Games)から騰訊控股に変更した。以来、騰訊控股はNCソフトとの関係を強化し、競合を退けて「ブレイドアンドソウル」を獲得。これを機に同社が韓国ゲーム業界とのパイプを拡大するとみられる。しかしながら、韓国ゲームは同社のQQプラットホームで提供する「クロスファイア」および「Dungeon & Fighter」の2タイトルを除いて中国では苦戦しており、先行きは不透明。ゲームタイトルを増やすことで同社は中国における韓国ゲームパブリッシャーの地位を固めるものの、上記の人気2作品がもたらす収益の希薄化も懸念される。
盛大による「リネージュII」および「AION」の失敗は、中国市場における韓国ゲームの成功が容易ではないことを示した。BOCIは今後テンセントがユーザーベースを生かして韓国ゲーム事業の採算性を上げることができるか静観する方針。
同社は第三者によるアプリケーションを提供するプラットホーム「Q+」の立ち上げに着手。QQのインスタントメッセンジャー(IM)を利用する6億人のユーザーに向けたアプリ拡充のため、第三者にプラットホームを開放した。これによりQQのポータル機能強化を図り、インターネットユーザーのさらなる取り込みを狙う。同プロジェクトの進捗は同社が第三者に提示する条件によって大きく左右されるため、本格的なサービス開始までには数年かかるとBOCIは判断。このため短期的には同プロジェクトが収益に影響を及ぼすことはないとみられる。
BOCIは同社の株価見通しを中立に据え置き、目標株価を2011年予想PER32倍の水準に設定している。